M7・6は能登半島で過去最大、「海側に延びる断層が100キロずれた」…活動収束の見通し立たず

 石川県能登地方では2020年12月から揺れを感じる地震が600回以上発生し、昨年5月には、最大震度6強を観測したマグニチュード(M)6・5の地震が起きた。今回のM7・6は気象庁の統計がある1885年以降、同地方では最大だ。

道路の亀裂に落ちた車(2日午前6時58分、石川県穴水町と七尾市の境界付近で)=後藤嘉信撮影道路の亀裂に落ちた車(2日午前6時58分、石川県穴水町と七尾市の境界付近で)=後藤嘉信撮影

 従来の震源は、能登半島先端部の北東~南西約30キロ・メートルに集中していたが、1日夕以降は130キロ・メートル程度の広い範囲に拡大した。東北大の遠田晋次教授(地震学)は「海側に延びる断層が長さ100キロ・メートル程度にわたってずれ動いた」とみている。断層が広範囲に破壊された影響で、その後の地震活動が活発化した可能性がある。

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 一連の地震は、地下に存在する水のような流体が地下の断層を滑りやすくさせるなどして誘発されているとみられている。過去約3年間で、震度1以上の地震が2日午前9時までに計653回発生、うち147回は1日以降に起きた。活動収束の見通しは立っておらず、同庁は「これまで地震が少なかった地域でも警戒が必要だ」と呼びかけている。