揺れていなくても「巨大地震警戒」や「注意」が発表された場合は備えて 「南海トラフ地震臨時情報」の意味とは(1)

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2016年4月に熊本地震が発生してから8年が経ちました。巨大地震への備えについて考えます。
【全3回の(1)】
宮崎県内では、南海トラフ地震の被害が懸念されますが、南海トラフ地震に関する「臨時情報」というのをご存知でしょうか?
改めて確認しますが、南海トラフ地震とは、駿河湾から日向灘沖にかけてのプレート境界を震源域として発生する大規模地震です。
この南海トラフでは、過去に、想定震源域の東側で地震が発生したあとに西側でも発生するというように時間差で大規模地震が発生した事例があります。

この過去の事例のような時間差で発生する大規模地震に備えるため、気象庁は、2019年、「南海トラフ地震臨時情報」の運用を始めました。
もちろん、南海トラフ地震が起きる前に、必ず、臨時情報が出るとは限らないことも頭に入れておく必要があると思います。
運用から5年ほど経ちましたが、「南海トラフ地震臨時情報」は、まだ発表されたことはありません。

どんな状況で「臨時情報」が発表されるのか?

では、どんな状況で臨時情報が発表されるのか、2つのパターンがあります。
まず、
1) 南海トラフの想定震源域やその周辺でマグニチュード6.8以上の地震が発生した場合です。
そして、もうひとつが、
2) 地震は起きていないものの、プレート境界でゆっくり断層が動く、「ゆっくりすべり」と呼ばれる現象が通常と異なる形で発生した場合です。

こうした現象を観測すると、南海トラフ巨大地震につながる可能性がないか調査を開始したことを発表し、その後、「巨大地震警戒」や「巨大地震注意」、そのいずれにも当てはまらない「調査終了」の評価結果が示されます。

例えば、宮崎県から離れた場所で地震が発生して、宮崎が揺れていなくても、「巨大地震警戒」や「注意」が発表された場合は備えてくださいということです。

例えば、「巨大地震警戒」が発表されたときには、地震が発生してからでは津波の避難が間に合わない一部の人に1週間程度の事前避難が呼びかけられる可能性があります。【(2)に続く】
※MRTテレビ「Check!」4月16日(火)放送分から