【スシロー】湯呑みペロペロ少年に6700万円訴訟 父親、涙の謝罪「本人は反省」でも巨額損害賠償請求という現実

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問題となった「湯呑みペロペロ」動画(SNSより)© NEWSポストセブン 提供

 回転寿司チェーン大手「スシロー」の岐阜県の店内で、醤油ボトルや湯呑をなめて元の場所に戻すなど客による迷惑行為が映った動画がSNSで拡散された問題で、スシローの運営会社「あきんどスシロー」が問題を起こした少年に対し、約6700万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴したことがわかった。

 提訴を報じた読売新聞オンライン版(6月8日配信記事)によると、少年側は請求棄却を求める答弁書を提出しており、迷惑行為は認めた上で「客の減少は同業他店との競合も考えられる」と主張しているという。

 動画は1月29日頃、SNSに投稿された。内容は以下のようなものだった。

 ボックス席に座った金髪の少年が、キョロキョロしながら、手にしていた備え付けの醤油ボトルを舐める。撮影者は「えっ、キモっ」と呟くが、止める素振りはみられない。

 金髪の少年は指を口の中に入れ、レーン上の寿司になすりつけようとするものの、寿司が回ってこず、「来い早く。来うへんなぁ」と苛立った様子を見せる。すると、レーン上に積み上げられた湯呑みを手に取り、ベロベロと飲み口を舐め回し、再び元の位置に戻した。

 寿司が回ってくると、幾度となく指先をペロペロと舐め、レーン上の寿司に何度もなすりつけた。48秒の動画は、カメラ目線の少年がキメ顔でグッドポーズをする姿で終わっていた。

 この動画が大きく報じられて社会問題になったあと、少年は反省していたようだ。2月、少年の父親が「週刊ポスト」の取材に答えていた。最寄り駅から車で40分ほどの山間にある一軒家で呼び鈴を押すと、その父親が対応した。

──謝罪に行かれたのは事実でしょうか?

「そうですね。すみません」

──あれはお友達が撮影したものなんでしょうか。

「(うなずきながら)そこまでも言っていいものなのか……詳しいことは本当に何も言えないんですよ…。僕も弁護士さんの方にお願いしてありますので、何も話さないようにと言われておりますので」

 父親は記者の目をしっかり見ながら話し、実直な性格であることが窺えた。息子本人の話になると、目に涙を溜めていた。

──ご本人はどういう様子なんでしょうか。言える範囲で結構ですので。

「もうすごく……反省しているというか…」

──落ち込んでいるという様子ですか。

「(うなずく)」

 その約2か月後には母親が『女性自身』の取材に応じ、少年の様子について「まだ、すごく反省しております」と語っていた。

 前述の答弁書の中で、少年側は「反省の日々を送っている」としているが、すでに多くの有識者から「迷惑動画は謝れば済む問題ではないということがはっきりした」「同様の行為への抑止効果が期待できる」といったコメントが相次いでいる。

 過去の同様の事例から考えれば損害賠償請求額の6700万円が満額認められる可能性は高くはないが、スシロー側はコストをかけて対策を余儀なくされるなど実害があったことは間違いなく、一定額の判決または和解となると考えられる。

 反省すればよいというものではないということが明確になった。