WBC代表強化合宿が17日開始 宮崎県、100億円超の経済効果期待

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笑顔のダルビッシュ有 =ひなた宮崎県総合運動公園(撮影・水島啓輔)

3月に開催される野球の国・地域別対抗戦、第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表強化合宿が17日、宮崎市で始まる。米大リーグ、パドレスのダルビッシュ有ら球界を代表する豪華メンバーが集結することもあり、会場となるひなたサンマリンスタジアム宮崎への事前登録制の入場整理券は配布終了。ホテルや飲食店は例年より早い時期から予約が入るなど盛況で、宮崎県は各球団のキャンプなどと合わせ、新型コロナウイルスの流行前に匹敵する100億円超の経済効果を期待する。

27日までの期間中、宮崎市内の宿泊施設は予約が取りにくい状態が続いている。宮崎第一ホテルは平日の一部を除いて満室。橋本和佳フロントチーフは「予約が例年よりも早く、年明けから入っている。強化合宿に興味を持っているお客さまが多いと感じる」と話す。飲食店も盛況だ。「地鶏炭火焼 粋仙」は今週末、約8割が予約で埋まっており、「客足は新型コロナの流行前に戻りつつある」と、スタッフの横山浩正さんの声も明るい。

宮崎県によると、プロ野球やJリーグのチームなどによる昨年の春季キャンプ(1月~3月)の経済効果は30億4千万円。無観客だった前年の14億7200万円から改善したものの、過去2番目に低い数字と苦戦した。

県などで構成する「国内外代表合宿受入実行委員会」は、今回の強化合宿について「大谷選手の不参加は残念だが、ダルビッシュ選手や国内のスター選手が集まるので注目度は高い。(イチローさんが参加し24万人超の観客が集まった)2009年第2回WBCの強化合宿に匹敵する盛り上がりを見せるだろう」と期待。経済効果は、新型コロナ感染拡大前の20年(124億4400万円)の水準まで回復を見込む。

受け入れ態勢も万全を期す。09年の強化合宿ではファンが殺到し、会場につながる片側二車線のバイパスが約10キロにわたり、大渋滞した。過去の経験を踏まえ、今回は事前登録制の入場整理券を発行。臨時駐車場も市内の複数カ所に用意し、混雑緩和を図る。

宮崎交通は宮崎駅、宮崎空港とキャンプ地を結ぶ臨時バスを運行。JR九州でも最寄りの木花(きばな)駅方面の臨時列車を運行するほか、車両を増結するなど対策を講じる。訪問できないファンのため、日本代表の公式ユーチューブチャンネルは練習の様子を生配信する。(神田さやか)