軽自動車の維持費は本当に安い?普通車との税金の違いを比較

image

ガソリン代が高騰し、自動車保険料が値上げするなど、車の維持費は増加傾向です。
こういった状況の中、維持費を安くするために軽自動車を選択する人が多くなっています。
この記事では、車の維持に必要な税金について解説します。

4割の人が選ぶ軽自動車 人気の理由は?

株式会社しんげんが運営するメディア「SHUFUFU」が、「車の購入に関するアンケート調査」を実施しました。

出典:SHUFUFU「車の購入に関するアンケート調査」(以下同)
現在乗っている車の購入価格については、「100〜200万円」(37%)が最も多く、「200〜300万円」(27.5%)と続きました。
6割以上の人が、100万~300万円の範囲で車を購入していることがわかります。

現在乗っている車のタイプについては、「軽自動車」(43%)が最も多く、「SUV」(11.5%)、「ミニバン」(10.5%)と続きました。
軽自動車を選んだ理由としては、「軽自動車だと費用が安く維持費も安いため」(50代女性)や、「自動車税が安いため」(30代男性)などの声がありました。
車を購入する費用や維持費をなるべく安く済ませたいという人が多いようです。
では、軽自動車とそれ以外の車では、どれくらい費用が違うのでしょうか?

軽自動車と普通自動車の税金比較

車の維持費の中で、金額が大きめでありながら、避けられないのが税金です。
車の維持にかかる税金には、自動車税と重量税があります。

自動車税(軽自動車税)

自動車税(軽自動車税)は、4月1日時点の車の所有者が支払う税金です。
軽自動車の自動車税は1万800円です。(初年度検査日が2015年4月以後、かつ初年度登録から13年未経過の場合)
一方、軽自動車以外の自動車税は排気量によって異なります。
最も安いのは、電気自動車や排気量1.0L以下の自動車で、2万5000円です。(初回新規登録が2019年10月1日以降)
前述の調査で、現在乗っている車のタイプとして2番目に多かった「SUV」の場合、自動車税は3万500〜5万7000円程度です。
自動車税を比べると、軽自動車の方が半額以下で済むことがわかります。

重量税

重量税は、車両の重量に応じて課税される税金で、新車購入時や車検時に支払います。
ここでは、車検時の金額を見てみましょう。
軽自動車の重量税は車両重量にかかわらず、一律で決められており、本則税率を適用した場合の税額は5,000円です。(エコカー減税適用なし)
一般的な普通乗用車の重量税は車両重量によって異なり、1万〜2万5000円程度です。
重量税においても、軽自動車は普通車の半額以下で済むことがわかります。

税金以外にかかる維持費

車の維持には、税金のほかに以下の費用がかかります。

  • 自賠責保険料
  • 自動車保険料
  • 車検代
  • ガソリン代
  • 駐車場代
  • 軽自動車は普通車と比べて、税金面だけでなく上記の費用においても比較的安めの金額になる傾向があります。
    しかし、普通車に比べて安いとはいえ、軽自動車においても車を維持するにはお金がかかります。

    維持費を下げるには、自動車保険の見直しも効果的です。
    自動車保険の比較サイトを利用すれば、手軽に保険の比較をすることができるので、シミュレーションしてみるとよいでしょう。

    「軽自動車」と「普通車」どっちがイイ? 大きさ・走り・維持費はどう違う? 「軽」に適してるのはどんな人?

    近年は軽自動車の性能が向上し、普通車(登録車)と軽自動車のどちらを購入しようか悩む方も少なくありません。軽自動車と普通車には、それぞれどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

    「軽自動車 vs 普通車」何がどう違う?

     昨今は新車販売の4割を「軽自動車」が占めているとされており、普通車(登録車)に引けを取らない性能や先進の安全機能を搭載したモデルも多く登場しています。
     では、軽自動車と普通車の違いはどのようなところにあるのでしょうか。それぞれのメリット・デメリットを比べてみます。軽自動車でもっとも売れているホンダ「N-BOX」軽自動車でもっとも売れているホンダ「N-BOX」

     軽自動車と普通車の違いは、車体の大きさや維持費、排気量、走行性能などです。

     道路交通法により、普通車は車両総重量が3.5トン未満、最大積載量が2トン未満、車両定員が10人以下と定められており、大型特殊自動車や小型特殊自動車、特定二輪車を含む自動二輪車に該当しないクルマを指します。

     道路運送車両法上の区分で普通自動車は、小型自動車・軽自動車・大型特殊自動車・小型特殊自動車以外の自動車と定められています。

     一方、軽自動車は車体サイズやエンジンの排気量が定められており、排気量660cc以下、長さ3.4m以下、幅1.48m以下、高さ2.0m以下のクルマです。

     車体価格は、普通車に比べ軽自動車の方が安い場合が多いです。というのも、軽自動車は普通車よりも車体が小さく、使う材料が少ないため製造コストが安く抑えられるからです。

     しかし、最近は軽自動車でも新車価格が200万円を超える車種もあり、普通車との価格帯の差は年々縮まっています。

     軽自動車と普通車の維持費では、税金や高速道路の料金などに違いがあります。

     普通車の税金では、自動車税は排気量によって異なり2万5000円から11万円、自賠責保険料は1万1500円、自動車重量税は重量や年数によって異なりますが最低でも8200円からです。

     一方の軽自動車は、自動車税が一律1万800円、自賠責保険料が1万1440円、自動車重量税が3300円と、普通車より収める金額が安く済みます。

     なお、高速道路の料金も、軽自動車は普通車の1kmあたりの料金の0.8倍に設定されており、2割引きの料金で利用できます。

     軽自動車は普通車に比べ、車両価格や高速料金、税金などが安いのが大きな特徴ですが、さらにはエンジンオイルや交換パーツなどの価格が低いため、ランニングコストも抑えられ経済的なクルマといえるでしょう。

     地域によっては軽自動車の車庫証明(保管場所届出)が不要な場合があり、申請手数料も節約できます。

     そして、普通車に比べ車体が小さいため小回りが利き、細道で対向車とすれ違う場合でも余裕をもって走行が可能。狭い駐車場でも駐車しやすいといったメリットもあります。

    ※ ※ ※

     一方、軽自動車のデメリットは排気量が小さいためパワーが弱く、坂道や高速道路で速度が出にくいことです。

     また、軽自動車は車内が狭く最大乗車人数が4人までと決まっているため、家族構成によっては全員が乗車できない場合もあります。

     子供が生まれて家族が増えたため、軽自動車から最大乗車人数の多い普通車に乗り換える人も少なくありません。

     さらに、車体が軽い軽自動車は強風や横風の影響を受けやすいため、風の強い日や高速道路での走行には注意が必要です。

     軽自動車は近場へのお出かけや買い物など普段使いに適しており、維持費やメンテナンス費用を安く抑えられるため、経済性を重視する人におすすめのクルマといえます。

    普通車に適しているのはどんな人?

     軽自動車と普通車では走行性能にも大きな違いがあります。

     660ccの小さなエンジンを搭載する軽自動車は坂道や高速道路でアクセルを踏み込む必要がありますが、普通車は1リッター以上のエンジンを搭載することもあり、多人数が乗車していても安定した走行が可能です。

     普通車は軽自動車と比べて排気量が大きいためパワーがあり、坂道や高速道路での加速感は軽自動車よりも優れているのが魅力です。

    普通車でもっとも売れているトヨタ「ヤリス」普通車でもっとも売れているトヨタ「ヤリス」

     また、軽自動車とは異なり、普通車はボディサイズに関する規格がないため、さまざまなサイズのクルマが存在。

     コンパクトカーやミニバン、SUV、セダン、ステーションワゴン、クーペなど豊富なラインナップが揃っていて、家族構成やクルマの使用目的によって自身に合ったボディタイプを選ぶことができます。

     普通車は車内も広く大人数が乗車しても余裕があり、長距離移動しても疲れにくく車種によっては車内泊も可能です。

     ハイブリッド車や電気自動車、燃料電池車などさまざまパワートレインがあることも、軽自動車にはない特徴といえるでしょう。

     デメリットは税金やエンジンオイル、タイヤなどの消耗品の価格が高く、維持費がかかることですが、大人数で遠出したり、キャンプやアウトドアスポーツなどを行ったりする人に普通車がおすすめでしょう。

    ※ ※ ※

     軽自動車と普通車は車体の大きさや維持費、走行性能などが異なるなど、それぞれにメリットとデメリットがあります。

     軽自動車は普通車に比べ車内の広さやパワーの面で劣りますが、維持費が抑えられ小回りが利くなどのメリットがあります。

     普通車は維持費がかかるものの、乗車人数が多い家庭や遠出、アウトドアを楽しむ人におすすめです。

     軽自動車と普通車の特徴を理解し、自身のライフスタイルに合わせて選択しましょう。