専門家「基本的には普通の生活を いざ起こったときのために見直しをしてください」 「南海トラフ地震臨時情報」の意味とは(3)

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2016年4月に熊本地震が発生してから8年が経ちました。巨大地震への備えについて考えます。
【全3回の(3)】

南海トラフ地震の被害が懸念される宮崎県内では、「南海トラフ地震臨時情報」を正しく理解し、対応することが求められますが、この「臨時情報」が発表されたとき、私たちはどう受け止めればいいのでしょうか?
京都大学防災研究所宮崎観測所の山下裕亮助教に話を聞きました。

基本的には普通の生活をしてください

(京都大学防災研究所宮崎観測所 山下裕亮助教)
「例えば、沿岸部に住んでいて、いざ地震が起こって津波の避難が、これはもう間に合わないというような場所に住んでいる人や、例えば、高齢で歩くのが時間がかかって避難が難しいという人に関しては、事前に1週間、安全な場所で避難をしてくださいということも同時に呼びかけられます。ただ、基本的には該当しない人たちは普通の生活をしてくださいというのが、実はこの情報が出た時の国からのメッセージです」

臨時情報が発表された際、巨大地震が1週間以内に発生する頻度は「巨大地震注意」で数百回に1回、「巨大地震警戒」で十数回に1回とされています。

(京都大学防災研究所宮崎観測所 山下裕亮助教)

「地震の予知というのはできません。ですけども、ふだんよりも100倍、1000倍、1万倍ぐらいの確率で、巨大地震が起こりやすくなっているということは、確実に言えることだと、そのことをお知らせするという情報になります。いざ起こったときのために、見直しをしてくださいということに尽きるのかなとは思いますね」

8割以上が理解していない「臨時情報」

臨時情報がしっかり理解されていなければ、災害が起きていないのに食料・日用品の買い占めや交通障害などが起きてしまうおそれもあり、今後も臨時情報をどう普及啓発していくかが大きな課題となりそうです。
MRTテレビ「Check!」では、MRTアプリを利用して放送中に番組の視聴者を対象に「南海トラフ地震臨時情報」についてのアンケートを行いました。
Q.「南海トラフ地震臨時情報」を知っていますか?(回答数1275)
理解している 15%
聞いたことはあるが理解していない 41%
知らない 44%

8割以上の方が、「南海トラフ地震臨時情報」を「理解していない、知らない」という結果が出ました。
「南海トラフ地震臨時情報」はこれまで発表されたことがないので、「理解していない、知らない」という方が多いのはもっともなことなのです。
しかし、この「臨時情報」が初めて発表された時、私たちは適切な対応ができるのか、今のうちに考えておく必要があります。
※MRTテレビ「Check!」4月16日(火)放送分から