新幹線調査に本腰 新幹線がもたらすメリット・デメリットは?

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新幹線開業には基本計画路線から整備計画路線への格上げが必要です。
九州新幹線で38年かかったことから、東九州新幹線の全線開業までは45年~50年ほどかかると宮崎県は想定しています。
これまでの調査で整備に必要な県の負担は1兆430億円と推計されています。
大分・延岡・宮崎を通る基本計画路線に加えて今回、県が熊本を通る新たなルートを調査対象としたことには反発の声があがっています。
(延岡市・読谷山洋司市長)
「基本計画路線を整備対象にするか否か、これが今、国の検討の論点ですので国の検討のまな板に乗ることが最優先。一日も早く整備対象になること、整備が始まることを急ぐこと自体が地域の経済や持続可能なふるさと作りに何より大切。」
東九州ルートだけでなく様々な角度からの議論が必要だと話すのは、フリーアナウンサーで鉄道に詳しい田代剛さんと、宮崎市の一平寿しの店主で、各地でまちづくりに関わっている村岡浩司さんです。
(一平寿し・村岡浩司さん)
「意識すべきは福岡でしょうね。福岡を経済のハブとしてどのようにそこと接続するかが重要になるのではないか。」
整備にかかる時間はおよそ半世紀。
(一平寿し・村岡浩司さん)
「(今新幹線の議論は)遅いよね、遅いですよね。かなり整備負担を逆に先の世代に先送りしてしまうかもしれない。」
(フリーアナウンサー・田代剛さん)
「新幹線ができるまでにいろんな交通の状況が変わってくる。莫大な費用と時間をかけて新幹線を作るところにエネルギーを注ぐのか、近未来のいろんなモビリティなど時代の変化によって対応できる宮崎県に投資するのか、その選択は良い議論になると思う。」
3つ示されたルートで実現可能性が高いと挙がったのは「新八代ルート」です。
(フリーアナウンサー・田代剛さん)
「(東九州新幹線は)並行在来線の問題があります。経営分離された時に第3セクターとしてどう運営していくのか、リスクが高い一面がある。いろんな支出や建設費をトータルで考えると、新しいルート(新八代ルート)が現実的。」
2人はこの他にも、県民が県外へ出て行ってしまうストロー化現象の可能性も課題として挙げました。
今回の調査は、新幹線のプラス面とマイナス面を示し県民に議論してもらうための調査。
整備しないという考えももちろんあります。
新幹線がもたらす負の側面も含めて考え、宮崎の将来を描く機会にしたいと思います。