旅行中のトイレが気になる人は必見!長時間外出を乗り切る【頻尿・尿漏れ対策】

頻尿や尿漏れが心配で、旅行や長めの外出をためらっていませんか? 「トイレに行きたくなったら、周りの人に迷惑かけるから」「映画の上映中にトイレに行きたくなったら……」。そんな心配のせいで、行きたいところに行けなくなるのは残念ですね。心おきなく外出を楽しめる方法を、現役の医師でYouTuberとしても大人気のドクター・ハッシー先生に教えていただきました。

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★座りっぱなしの人は要注意★

座りっぱなしの人は注意!【頻尿・尿漏れ】30分に1回、心がけたいことは?

旅行の予定が決まったら、3つの項目をチェックしましょう。
1事前にモノを買う
2水分摂取の時間を調整する
3防寒を心がける
では、ひとつずつ見ていきましょう。

吸水パッドや、スペアの下着を用意しておく

頻尿や尿漏れが心配でも、「紙オムツやパッドなんて使いたくない」と拒否反応を示す人がいます。でも、最近では、「40代以上で頻尿や尿もれを体験する人は4割強」というデータもあり、「トイレの悩みは恥ずかしいことではなく、50代以上ではむしろ当たり前」という考え方が広まりつつあります。
尿漏れ対応グッズも、従来の介護用品とはイメージが異なる、コンパクトでおしゃれな商品(吸水パッドや吸水ショーツ)がぞくぞく登場。
スーパーやドラッグストアでは介護用品とは別のコーナーで、生理用品と並べて販売されていることが多く、気軽に購入できます。インターネットで入手することもできます。これらのグッズを上手に活用すれば、とっさのときも誰にも気づかれずに対処でき、旅行や外出を楽しめるのではないでしょうか。
最近の吸水パッドは、ショーツに貼れる薄型製品のバリエーションが豊富です。水分(尿)とおりもののどちらにも対応できるごく薄いライナータイプや、肌に触れる面がコットンのタイプ、カテキンを配合した消臭機能付きのタイプなどさまざま。サイズや素材などに工夫がこらされています。
吸水量も3~10㏄程度の微量用から300㏄程度の長時間用まで幅広く、漏れる量に合わせて選べます。
生理用品で代用する方もあるようですが、これはNGです。生理用品は血液を吸収するように作られているため、尿を吸い取る力は弱く、アンモニア成分で肌がかぶれたり、においがもれたりしがちです。その点、吸水パッドは水分をしっかり吸収して高分子ポリマーに閉じ込めるため、吸水・消臭力が強力で、肌がかぶれにくいのがメリットです。
普段は吸水パッドを使わない人でも、旅行や外出のときだけ替えの下着と一緒にバッグに入れておくと安心材料になります。長時間乗り物に乗るときや、トイレ事情をよく知らない観光地をまわるときなどは、吸水パッドの出番。夜中に起きてトイレに間に合わないときのため、夜だけ使ってもいいでしょう。事前に準備したグッズを活用して、旅行先での尿トラブルの不安をとりのぞいてください。

水分摂取を調整する

旅先では、水分を一度にガブ飲みしないで、ちょびちょび少しずつ飲むことが大事です。一気に水分をとると、そのときに必要のない水分が膀胱にたまり、排せつされていしまうからです。
トイレに行かなくてもいいようにと水分摂取を控える人がいますが、これも本末転倒。水分をとならないと膀胱に炎症を起こしやすくなってしまいます。
水分は少しずつ、つとめてとるようにしましょう。
水分のとり方については下記の記事でくわしく説明していますので参考にしてみてください。

冬のトイレの悩み。頻尿・尿漏れが気になる人におすすめの、水分のとり方とは?

旅先ではカラダを温めることも大切

冬場は汗をかかないために、尿の量が増えやすくなります。カラダが冷えるとトイレが近くなるので、旅先では防寒対策をしてカラダを温めることも、頻尿や尿漏れを防ぐうえで大切なポイントです。
寒がりの方、冷え症の方は、ホットカイロなどを肌着の上に貼っておなかを温めると血流がよくなり、カラダがポカポカしてきます。レッグウォーマーで足首やふくらはぎを温め、首の周りにマフラーやスカーフを巻いて保温するのも効果的。全身の筋肉も動かしやすくなり、代謝も活発になって発汗も促進されるので、頻尿や尿漏れの改善につながります。夏でもエアコンがよくきいた乗り物の中などで有効です。
カラダの熱は、食べ物が分解することで発生するので、旅先でも朝食をしっかりとって、カラダを温めるスイッチをオン。ニンジン、カボチャ、玉ねぎ、ヤマイモ、鶏肉、鮭、豆類、シナモンなど、カラダを温める食べ物が入っているメニューを選ぶのもおすすめです。

利尿作用のある内服薬もあるのでチェック

普段飲んでいる薬が、頻尿や尿漏れの一因となっていることがあります。血圧を下げる降圧剤などの内服薬には、利尿作用のある成分が含まれていることがしばしばあるからです。薬を服用中の人は、利尿作用のある薬が処方されているかどうかを主治医に確認してみましょう。該当する薬がある場合は、旅行などの1カ月くらい前から、利尿作用のないタイプに変更できないか相談するとよいでしょう。

ふだんから膀胱トレーニングを

トイレが近い人は、我慢できなくなることを恐れて早め早めにトイレに行くクセがあるようです。すると、膀胱に尿が少ししかたまっていなくても、膀胱のセンサーが「尿がたまったよー」と脳に伝えてしまうようになり、尿意を頻繁に感じる習慣がついてしまいます。
膀胱のセンサーというのは、神経のこと。加齢とともに、膀胱の周りの筋肉が弱くなったり、収縮力が低下したりするとともに、膀胱のセンサー(神経)が誤作動を起こしたりして、尿をためにくく止めにくくなるのです。
これを防ぐ方法が、トイレに行きたくなってもいったん我慢する「膀胱トレーニング」です。旅行や長時間の外出の予定がある人は、とっさのときにガマンするトレーニングで尿意を逃がす練習をして、いざというときに備えておくことをおすすめします。

膀胱トレーニングのやり方

① 尿意を感じたら、その場でちつと肛門をキュッと締めて5分間我慢する。しゃがんだり脚を組んだり、尿道の出口を押さえたりしてもOK。
② 5分たったらトイレに行き、排尿する。
まず、尿意が起きても5分間、排尿を我慢することからスタートします。その間は、今日の出来事でも推しの俳優さんのことでも何でもよいのでほかのことを考えると、尿意が逃げやすくなります。尿意を逃がす感覚に慣れてきたら、我慢する時間を少しずつ延ばしていきましょう。15分我慢できるようになったら、外出や遠出も怖くなくなります。

お話を伺った人 ドクターハッシー(橋本将吉)先生

2011年に「医学教育という専門領域から、日本と世界の明るい未来を創造する」という理念の元、株式会社リーフェホールディングス(旧株式会社リーフェ)を設立。将来の医師を育てる医学生向けの個別指導塾「医学生道場」の運営や、自らが「ドクターハッシー(内科医 橋本将吉)」というYouTuberとして健康教育を行う。2022年9月に世界初、健康や医学を医師から学ぶ事のできるサービス『ヘルスケアアカデミー 』をリリース。

※2023年2月19日に配信した記事を再編集しています。