この時期に近所を散歩していると、公園や庭を彩る大ぶりなピンクの花をよく見かけます。
「ツバキでしょ」
「いやいや、サザンカでしょ?」
皆さんは写真の花、どちらだと思います? じつは誰でも簡単に見分けられるポイントがあるんです。
■花や樹形はそっくり
遠目に見ると、ほとんど同じに見えます
ツバキとサザンカは、どちらもツバキ科ツバキ属に属する植物です。そのため、花や樹形はそっくりです。
開花時期で見分ける方法が知られていますが、時期は多少は違うもののかなり重なります(種類によるが、サザンカは11〜3月、ツバキは12〜4月)。他の花が少ない季節なので見つけやすいですが、どちらも咲いている時期が長いので、開花時期だけで見分けるのは難しそうです。
葉っぱだけでの判別はなかなか至難の業
また、葉の大きさやうぶ毛の有無、花の咲き方の違い(ツバキはカップ状、サザンカは開いて咲く)にも違いがありますが、近くでよーく見ないと判別しづらく、交雑種も存在するので決定的な見分け方にはなりませんね。
■木の根元を見ると違いは一目瞭然
落ちている花びらに注目
では、樹形でも葉っぱでもなく、なにを見比べればいいのでしょうか。
じつは、簡単に見分けるには木の根元を観察してみてください。ピンクの花びらがヒラヒラと地面を埋めるように散っているのであれば、その木はサザンカです。サザンカは花びらが一枚ずつ独立しているので、花弁がバラけて散ります。
対して、花がそっくりそのままポトリと落ちていたら、その木はツバキです。ツバキの花は根元で筒状に繋がっているため、花弁がまとめて落ちるのです。
ね、簡単な見分け方でしょう?
あなたの近所の花はツバキ? それともサザンカ?
ツバキもサザンカも日本の原産種で、耐寒性が高く非常に育てやすい常緑樹なので、昔から庭や公園によく植えられてきた身近な植物です。ちなみに、庭の垣根として植えられているのは、ツバキよりも小さい葉が密に生えるサザンカが多いようです。
皆さんの通勤コースにあるピンクの花がツバキなのか、それともサザンカなのか、スマホばかり見つめていないでたまには目線を上げて観察してみましょう。新しい知識が加わると、きっと日常が少しだけ違って見えますよ。
たまには通勤コースの足元を観察してみましょう