スパコン「富岳」、計算速度世界4位に転落…米国が投入の最新鋭機に抜かれる

  理化学研究所は13日、富士通と共同開発したスーパーコンピューターの「 富岳ふがく 」(神戸市)が、計算速度を競う世界ランキング「TOP500」で4位になったと発表した。今年5月は2位だったが、米国が投入した最新鋭機に抜かれた。

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スーパーコンピューター「富岳」(神戸市中央区)

 TOP500は、スパコンの研究者らによる国際会議で毎年2回公表されている。富岳は2020年6月以来、4期連続で1位となり、22年5月に米オークリッジ国立研究所の「フロンティア」に首位を奪われた後も3期連続で2位だった。今期は、米アルゴンヌ国立研究所など米国の最新鋭機が相次いで投入され、米国勢が1~3位を独占した。

 計算速度は、4期連続で首位のフロンティアが毎秒119 京けい 4000兆回(京は1兆の1万倍)、2位の「オーロラ」が同58京5340兆回、3位の「イーグル」が同56京1200兆回、富岳が同44京2010兆回。

 富岳は、産業利用で使う計算の処理速度を測る「HPCG」と、ビッグデータの解析能力の指標となる「Graph500」の2部門では8期連続で首位を維持した。理研の松岡聡・計算科学研究センター長は「4年にわたって世界トップクラスの性能を維持できている」とコメントした。