116歳の存命世界最高齢の女性、長寿の秘訣は「ヨーグルトを食べること」と「“ある人”に会わないこと」?

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「存命世界最高齢」の記録保持者は日本人のイメージが強いが、実は現在この記録をもつのはスペイン・カタルーニャ州に暮らす女性、マリア・ブラニャスさん(116歳)だ。
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今年3月、116歳の誕生日の前日に撮影した写真。

彼女は過去22年間老人ホームに暮らしているが、健康状態は良好だ。聴力と運動能力以外には問題はなく、深刻な疾患はない。特に記憶力のすばらしさは科学者のお墨付きだ。ホセ・カレーラス白血病研究所の所長でありバルセロナ大学の遺伝学教授であるマネル・エステラー博士はスペインABC放送の取材に対し、「彼女はわずか4歳のときのエピソードを鮮明に覚えています」「高齢者によく見られる心血管疾患はまったくありません」と語っている。

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マネル・エステラー博士(左)とマリアさん。

マリアさんが語る「長寿の秘訣」

マリアさんは1907年3月4日、スペイン人ジャーナリストの娘としてアメリカ・サンフランシスコ生まれた。8歳のときに両親の故郷であるスペインに移住し、以来カタルーニャ地方に長年暮らしている。

誰の人生もそうであるように、マリアさんの116年の人生も決して楽なものではなかった。スペインへの移動中の船の中で父が死亡。また自身も(同じ船の中で、事故により)片耳の聴力を喪失した。その後スペイン風邪の流行、世界大恐慌、スペイン内戦の時代を生きぬいた。

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1925年撮影、18歳ごろのマリアさん。

2020年からのコロナ禍でコロナ感染をしたものの、無事回復した。過去に手術を経験したこともないという。

彼女は「X」のアカウント「Super Àvia Catalana(カタルーニャのスーパーおばあちゃん、@MariaBranyas112)」をもち、定期的に更新している。Daily Mailの報道によると、彼女は長生きの秘訣について「秩序、静けさ、家族や友人との良いつながり、自然とのふれあい、情緒の安定、ポジティブであること、そして有害な人たちから離れること」とツイートしている。また「ナチュラル・ヨーグルトを食べること」も大切な日課とのこと。
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「ヨーグルトを毎日食べています」とコメント。

長寿の秘訣を科学的に解明

マリアさんの長寿の秘訣について、科学の力で解明しようとする動きが進んでいる。マリアさんはこの研究の被験者となることに合意し、エステラー博士のチームは彼女の唾液、尿、血液を含むDNAサンプルの採取を行った。

マリアさんには90歳以上の親戚が多く、エステラー博士は「遺伝的要素があることは明らかだ」と語っている。マリアさんのサンプルは彼女の娘(79歳。マリアさんの3人の子どもの内2番目)と比較研究される。この研究により、加齢に伴う神経変性疾患や心血管疾患、および、がんに対処する方法について解明することが目標である。

マリアさんが提供した「最長寿」の生体サンプルの研究結果が出るのはまだ先だが、大きな注目を集めるのは間違いない。