昔はなかった「首イボ」…なぜできる? 放置して増えてしまう前に、原因と解決法に迫る

昔はなかったのに、あるとき気がついたら首のあたりに小さなイボが…。放置していたら、どんどん増えてしまうなんてことも。
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Andrii Medvediuk

デコルテが見える服を着るとき気になるのが、首周りにできるイボ、通称「首イボ」だ。最初は1個だったはずが、気がついたら、ブツブツと複数広がっていた、なんてことも……!

「20~30代ぐらいからでき始める方もいて、年齢を重ねると増えていく特徴があります。首イボと呼ばれていますが、首以外の脇の下、胸、ビキニライン、まぶた周りなど、皮膚の薄い部分にできやすい傾向があります」と教えてくれたのは、皮膚科医で六本木・わかばクリニック院長の武田安代医師だ。

 通称「首イボ」は、医学的には形状や大きさによって名称が変化するという。

「小さな2~3㎜の粒が多発して広がっているものは、正式には『アクロコルドン』もしくは『スキンタッグ』と呼ばれています。多くの方が悩まれているのは、このアクロコルドン。もう少し大きい1㎝ぐらいのものは『軟性線維腫』といい、こちらは単発でできることが多い。また、それ以上大きく垂れ下がったタイプのものは、『懸垂性線維腫』と呼ばれます。これらのイボは、悪性腫瘍ではなく、感染の心配もないので、基本的には放置しても大丈夫です。ごくまれに、短期間で大きくなったり、イボから出血したり、急に数が増えて固く飛び出したりするものは、ウイルス性のイボや悪性化するタイプの可能性もあるので皮膚科を受診してください」。

ほとんどのイボは、悪さはしないタイプといわれても、細かなイボが複数できると見た目にも気になるものだ。なぜ、小さなイボ(アクロコルドン)は出現するのだろうか。「原因は複数あると考えられていて、まずは衣類やアクセサリーなどによる摩擦。そして紫外線。さらには皮膚の老化や乾燥、加齢による皮膚のターンオーバーの乱れも影響するといわれています。また、できやすい体質や遺伝もあるといわれていて、取っても繰り返しできる方もいます」。

現在、アクロコルドンができている人はどうしたらいいのだろうか……? 大前提としてイボを自分で引っ張って取ることは危険だと武田医師はいう。「自分で取ろうとすると化膿して傷痕が残ることも。小さなものでも皮膚科で取ることをおすすめします。炭酸ガスレーザー治療、電気メスによる切除など、大きさや個数に合わせて治療することができます。液体窒素を用いることもありますが、治療範囲が広くなり、痕が残ることもあるのでレーザー治療法がいいでしょう。数が多くても局部麻酔をして治療するので、痛みはありません。イボができやすい部分は、優しい肌あたり衣類にしたり、アクセサリーの摩擦にも工夫してみて」。

また、つい忘れがちな首のUVケアと保湿もとても重要。角質の水分量を保ち、乾燥させないようにきちんとケアすることで、イボができにくいしっとり弾力のある肌質に導いてくれる。

From Harper’s BAZAAR October 2023 Issue