立つのか座るのか…それが問題だ!男のトイレ “新常識” に思わぬ落とし穴も

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時代ともに変わりつつある、男性のトイレ事情。男女共用のトイレでは座って用を足すよう呼びかける“張り紙”も目立つようになりました。生活用品メーカー・ライオンの調査では6割の男性が、洋式トイレで座っておしっこをすると回答。その大きな理由が「立ってすると汚れるから」。では、座れば問題ないのでしょうかー。

私たちが毎日、利用するトイレ。男性のみなさんは洋式トイレでおしっこをするとき、立ってしますか、座ってしますか?街で聞きました。

40代男性(座る派):
「座ります。汚れないようにです」
20代男性(立つ派)
「立ってします。僕トイレ掃除してるので、プラマイゼロかなと」
20代男性(座る派)
「小さいころずっと立ってやってて。よくお母さんに怒られてたんで。高校ぐらいからやめてみようかなと思って挑戦してます。やっぱり女の人がいるところであんまり立ってやりたくない」

夫婦に尋ねると…
60代夫婦
夫:「私は立っちゃうんですよ。妻は座れって言われますよ」
記者:「奥さんに注意されませんか?」
夫:「でも一応、習慣化しちゃってるから」
妻:「だから雑巾で右も左も、ちょくちょく拭くやん。だってにおっていそうだもん。絶対飛ばしてるって分かってるから、物理的に」

70代夫婦
夫:「座ってやりますよね」
妻:「はねるから。怒られるから、私に」

生活用品メーカーのライオンが2021年に実施した「小用スタイル」に関する実態調査では、1500人の男性を対象に調査し、その6割が「座る」と回答。さらに具体的にみると「立って使っていたが座るようになった」という人は、全体の半数近くにのぼっています。また、別の調査では2010年に3割ほどしかいなかった「座る派」が、2020年には半数超。その後も、座る派が増え続けていることが分かります。

なぜ、洋式トイレに座る男性が増えたのでしょうか。ライオンの担当者は特に若い世代の意識の変化を指摘します。

ライオン・リビングケアマイスター吉井和美さん:
「妻に言われて、家族に言われて、強制的に座っている人が多いのかなって思いきや、意外と上位に上がっているのは自分から『汚れるから座る』みたいな人が多いというのが、出てきているというところで、男性側の意識も変わってきてると実感できた」

「飲食店では座れない」といった声も…

座る派に変わったと理由として最も多かったのは「尿ハネで汚れるのを体験したから」といった声でした。

70代女性:
「言っておきますけど男の人は座っても飛び散る人は飛び散るよ」
20代のカップル:
「奥の黒ずんでいる所は洗いづらいですよね」

では立って用を足すと、どのくらいトイレが汚れるのでしょうか。青く着色した水を、立った高さから放出した実験映像を見ると、床や便座、壁に水が飛び散っているのが分かります。座った状態で用を足した時の方が、床の汚れが少なくなっています。

座る派が主流となる中、街ではこんな意見も…。
座る派の20代男性:
「コンビニでは立ってすることはある。ちょっと気になりますね、便座が」
座る派の20代男性:
「飲食店とかは座ってやれないんです。いわゆる誰か座ったところにあんまり座りたくないなというところはあるので。でももし汚したとしても絶対拭きます」

自宅で座ると答えた人の中には、飲食店やコンビニなど多くの人が使うトイレでは座れないという声が。そんな中、トイレの使い方について“張り紙”をする飲食店も…、その内容は。

やなぎ屋・柳瀬哲也さん:
「立って用を足す時代は平成で終わってます」

こちらの飲食店では2021年から男女共用のトイレのドアに、男性に向けて座って利用するよう呼びかけるステッカーを張りました。

やなぎ屋・柳瀬哲也さん
「ちょっと名言ぽい、いい感じの心に響く文言かなと思って。男女共用のトイレでもあるので女性の方もこういうのが目に入ると、ちょっと安心して使っていただけるのではないかと考えている。どうしても床に飛んで拭き上げるのは大変なので、そこの手間は少しは変わりましたね。みなさんお酒を飲んで用を足されるのでもちろん意識されている方と、座られない方がおられますが、少なからず効果は出てると感じている」

座れば「汚れ」は解決するのか

座る派が主流となる中、実は座っておしっこをした場合でも、思わぬところに汚れがー。ライオンは、男性が座って用を足したとの想定でトイレの尿ハネを調べました。

その実験結果によりますと、座って用を足した場合でも、便器の内側に尿ハネしており、水で流しても便座のフチやウラに汚れが残ることがわかりました。

ライオン・リビングケアマイスター吉井和美さん:
「はねる場所が違うってことになりますね。座ってする場合は、男性だけじゃなくて女性もそうなんですけど、便座のウラへの飛び散りが多いですね。あとは便器のフチの裏側・折り返されている部分への飛び散りも多いことが分かっている。においが出たりとか汚れになったり“放置”してしまうというところが問題なので、“放置”しないことが重要になります」

では洋式トイレを使うときは、どうすれば汚れを最小限に抑えることができるのでしょうか?

“水たまり”を狙うのが有効 でも一番大事なのは…

ライオン・リビングケアマイスター吉井和美さん:
「水たまりに当たった場合の方が飛び散りが少ないというような結果が出ていますので、できれば水たまりを狙ってされるのが飛び散りをおさえるには有効かなとは思うんですけど、なかなか座った場合に、そこを狙えるかというととても難しいと思います。どこが汚れやすいかというのを、各自知っておくということで知っておけば、ちょこっとそこを拭くというマナー的な感じで拭いてあげるというところを、家族みんなで、自分の汚れは自分でという感じでやられればよいのではないかなと思います」

変わりゆく男性のトイレ事情。少しの心意気とマナーが一番大事なようです。
トイレのフチや便座の裏は、掃除をする時もなかなか気づかない盲点で、毎回掃除をするのは大変かもしれませんが、吉井さんによりますと、1週間に1回程度、トイレ用の洗浄スプレーで掃除するがおすすめだということです。