止まらない「ガソリン代」高騰! 昔は「100円」だった? 過去50年間の価格推移を解説

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ガソリン車に乗るのであれば定期的に買わなければならないガソリンですが、生活必需品の中でここまで価格が変動するものがあるでしょうか。
ガソリン価格高騰のニュースを連日目にする昨今ですが、過去には1リットル100円程度で買えていたことを知っていますか? 2023年8月と比べると考えられないような金額だったのです。
本記事では、ガソリン価格の推移を50年前から見てみたいと思います。

2023年8月のガソリン価格は「180円」!

経済産業省資源エネルギー庁が実施しているガソリン等の店頭現金小売価格調査によると、2023年8月21日時点におけるレギュラーガソリン1リットル当たりの価格は184円となっています。500ミリリットルペットボトルのジュースよりも高いことを考えると、価格高騰をより実感しますね。

過去50年間におけるガソリン価格の推移

図表1は、総務省統計局が公表している東京都区部におけるガソリン1リットル当たりの小売価格の推移です。1966年から2022年までの56年分が記録されています。
図表1
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総務省統計局 小売物価統計調査

1966年~1982年

1966年のガソリン価格は50円で、今では考えられない金額です。そこから第一次、第二次オイルショックを迎え、1982年には177円まで急上昇しています。2023年8月と同水準の金額ではありますが、1980年における大学卒者の初任給が15万円にも届いていなかったことを考えると、家計への負担は当時のほうが大きかったのではないでしょうか。

1983年~2007年

高騰したガソリン価格は1980年代半ば頃からの逆オイルショックによって下がり、1999年には97円まで落ちています。図表1を見ると、1995年から2005年あたりまでのガソリン価格は比較的安定していることがわかります。

2008年~2013年

2007年末から2009年頃を中心にアメリカ合衆国で起きたサブプライムローン問題により、投資家が原油市場に流れ込んだことで原油価格が上がり、ガソリン代も2008年8月には182円まで上がっています。
しかし、その直後の2008年9月に起きたリーマンショックによって、次は原油市場から投資マネーが引きあげられたことで原油価格は急落しています。ガソリン価格が乱高下する時代となりました。

2014年~2016年

リーマンショックから緩やかに上昇したガソリン価格ですが、2014年から2016年にかけて急落しています。その原因はアメリカ合衆国のシェールオイルの増産による影響です。

2017年~2023年

2020年のガソリン価格の下落はコロナショックによるもので、原油価格下落のうえに、世界経済が停滞したことによってガソリンの消費が減少したことも影響したと考えられます。そして2023年8月、ウクライナ情勢の影響による原油価格の上昇、国の補助金の減少などによってガソリン価格は180円を超えています。

まとめ

過去50年のガソリン価格の推移を見てみました。1966年のガソリン代は50円だったこと、2008年のサブプライムローン問題からのリーマンショックでは、わずか数ヶ月でガソリン代が半額近くなっていることには驚きでした。ガソリン価格高騰が止まらない2023年8月です。9月以降は190円を突破する日がくるかもしれません。

出典

経済産業省資源エネルギー庁 石油製品価格調査

総務省統計局 小売物価統計調査

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー