宮崎牛もウナギもその場で受け取り 空港にふるさと納税自販機

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空港に設置された「ふるさと納税自動販売機」。「注文しなくても、見ているだけで楽しい」との声も=2023年6月30日、宮崎空港、石川雅彦撮影

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「ふるさと納税自動販売機」の横には、宮崎牛ステーキやウナギのかば焼きなど、返礼品の見本が並ぶ=2023年6月30日、宮崎空港、石川雅彦撮影

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ふるさと納税自動販売機の前であいさつする清山知憲市長。左は宮崎空港ビルの永山博康社長=宮崎空港、宮崎市提供

 納税返礼品を手に空路でご自宅へ――。宮崎市宮崎空港に、ふるさと納税の寄付と返礼品の受け取りが同時にできる「ふるさと納税自動販売機」を設置した。10分ほどの作業で納税手続きが完了して宮崎牛などの返礼品を受け取ることができ、お土産として飛行機へ持ち込め、その日のうちに楽しむことができる。

 自動販売機が置かれたのは空港1階の売店。タッチパネル方式で入力し、利用者は好きな寄付金額(4千円~3万6千円)や返礼品を選べる。返礼品は「帰宅後、すぐにみんないっしょに食べられるもの」を意識して、宮崎牛のステーキ、ハンバーグ、ウナギのかば焼きなど特産物の加工品15種類が並ぶ。

 機械に運転免許証を読み込ませるなどして住所、名前、連絡先を登録して、クレジットカードで手続きすればOKだ。自動販売機から出てくる引換券を空港内の土産店カウンターに持って行くと、返礼品を受け取れる。10分ほどの作業で好きな「お土産」を手にすることができる格好だ。税控除などに必要な証明書は後日、宮崎市が自宅に送ってくれる。

 今回のようなふるさと納税の自動販売機は最近、全国のゴルフ場やレジャー施設、交通機関の主要ターミナルなどに広がっている。「その場で選べて、その場ですぐに手に入る」ことが人気を呼び、設置台数は飛躍的に伸びている。

 宮崎市のふるさと納税額は昨年度56億5千万円に上り、わずか2年で10倍以上に急増。今年度は70億円を視野に入れる。牛肉、ウナギ、鶏肉が人気トップ3を占める。清山知憲市長は「県の玄関口に設置することで、大きなPR効果が期待できる。さらなる寄付額増加を期待している」。担当する市都市戦略課では、「夏休み、お盆のシーズンに宮崎市に来られた人の間でも、評判は上々だった。みなさんの要望を聞きながら、特産物の品数を順次、増やしていきたい」と話している。(石川雅彦)