【ゴールド免許復活の裏ワザとは】ゴールド免許取得の条件と特典

ゴールド免許になるための条件とは?

出典:警視庁

ゴールド免許とは、交通事故・交通違反のない優良運転者に交付される運転免許証のことを言います。正式には「優良運転者免許証」と称される免許証で、有効期限表示部分の背景の色が金色になっているのが特徴です。1994年5月10日に改正された道路交通法で導入されました。

ゴールド免許になるための条件
  • 基準日から5年間が無事故・無違反である
  • 重大違反教唆幇助・道路外致死傷をしたことがない
  • 継続して免許を受けている期間が5年以上ある
  • 特に、基準日から5年間無事故・無違反であるという条件がよく注目されます。

    条件である無事故とは人身事故を起こしていないこと、無違反とは、自動車等の運転者の交通違反や交通事故を起こした場合に適用される点数制度の点数が0点の場合です。

    なお、点数制度の対象となる事故は人身事故のみで、人的被害を伴わない対物事故や自損事故は「事故」にはカウントされません。

    ゴールド免許になったら享受できる特典、メリット

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    ©︎umaruchan4678/stock.adobe.com

    ゴールド免許になった場合に享受できる特典やメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。5年も無事故・無違反を継続しゴールド免許になった優良ドライバーには、さまざまな特典やメリットがあります。ここからは、ゴールド免許になったら享受できる特典やメリットを説明します。

    運転免許更新が早くなる。安くなる

    ゴールド免許になったら享受できる特典、メリットの1つ目は、運転免許更新時の講習時間が短いため早くなることと、講習費用が安くなることです。

    具体的には、通常のブルー免許の方が受ける一般運転者講習が1時間なのに対し、ゴールド免許の方の優良運転者講習は30分と半分の時間で終了します。また、講習費用も一般運転者講習受講者の手数料が3,300円なのに対し、優良運転者講習受講者の手数料は3,000円と1割ほど安くなります。

    自動車保険(任意保険)の保険料が安くなる

    ゴールド免許になったら享受できる特典、メリットの2つ目は、自動車保険のうちの任意保険の保険料が安くなることです。5年間無事故・無違反のため、保険会社としては、事故を起こす可能性が低い人であるという判断ができます。

    そこで、各保険会社では、ゴールド免許の方の任意保険料を割引する、ゴールド免許割引が適用になります。割引率は保険会社やプランによってさまざまですが、おおむね10%前後の割引が期待できます。

    ガソリンが安くなる

    ゴールド免許になったら享受できる特典、メリットの3つ目は、ガソリンが安くなることです。必ずしもゴールド免許取得が条件ではありませんが、1年以上無事故無違反であれば後述するSDカードを取得できます。

    SDカードを提示することで、店舗会員価格でガソリン購入が可能になったり、カーピット作業や車検が割引になったりといった恩恵が受けられる場合があります。

    免許証の有効期間が長くなる

    ゴールド免許になったら享受できる特典、メリットの4つ目は、免許証の有効期間が長くなることです。ゴールド免許であれば有効期間は一律5年間になります。

    ブルー免許でも、5年の間で違反点数が3点以下の違反が1回のみの方は有効期間が5年になりますが、5年の間に複数回違反が重なったり、怪我のある事故を起こしてしまった方は、「違反運転者」となり免許証の有効期間が3年になります。

    旅行代金、宿泊施設が安くなる

    ゴールド免許取得の5つ目のメリットとして、旅行代金や宿泊代金が安くなることが挙げられます。ゴールド免許の提示で料金プランが割り引かれるなどのサービスを提供している施設もあるので、積極的に利用したいところです。

    SDカードとは?取得するメリット


    20年以上事故・違反の記録がない場合に送られるSDスーパーゴールドカード表面は証明書になっている

    自動車運転センターで無事故・無違反証明書や運転記録証明書を交付してもらうと、その証明書と同時にSDカードが発行されます。SDカードのSDは「Safe Driver」の略で、安全運転者であることを証明するカードです。

    このSDカードを提示することによって割引をしてくれる飲食店や衣料品販売店などが全国にあり、さまざまな優遇が受けられます。

    何年で・いつからゴールド免許になれる?最短年数は?

    無事故・無違反を5年継続しなければならないので、免許取得から1~4年間はゴールド免許を持つことができません。

    運転免許の初回更新は運転免許を取得した日から3回目の誕生日のタイミングですから、1回目の更新までは2~3年。

    次の更新タイミングまで無事故・無違反ならゴールド免許ですから、最短年数は5年数ヵ月~6年となります。

    つまり早ければ、2回目の免許更新からゴールド免許が取得できるのです。

    ゴールド免許で違反するとどうなる?

    交通違反を犯した女性©Nomad_Soul/stock.adobe.com

    違反点数がつく事故や違反を犯すと、原則として次回のゴールド免許での更新の権利が無くなります。

    軽微な違反は点数ノーカウントに。3ヶ月リセット特例があるが…

    2年以上無事故・無違反の方が、3点以下の違反をした場合でも、その後、3ヶ月以上無事故・無違反が続いたときには、違反時についた違反点数がリセットできるのが3ヶ月リセット特例です。

    しかし、3ヶ月リセット特例が適用になったとしても、次回更新時にゴールド免許での更新はできません。

    3ヶ月リセット特例は違反点数の累積点(持ち点数)が多くならないように配慮された制度で、犯した違反点数がつくような事故や違反が消えるものではありません。

    加点なしの交通違反はゴールド免許に無関係

    ただし、違反点数の加点がない以下の違反をした場合は、ゴールド免許を継続することができます。

  • 免許証不携帯
  • 警音器使用制限違反
  • 泥はね運転
  • 運行記録計不備
  • 公安委員会厳守事項違反
  • 注意したいのが、これらの違反は「持ち点数に加点はされないが、反則金は発生する」ということ。普通自動車免許だと3,000円〜6,000円の反則金があるので注意しましょう。

    ゴールド免許が復活するまでどれくらいかかる?

    ブルー免許に戻ってから再びゴールド免許に復活するまでの長さは、前述の通り、免許更新日と誕生日、違反日によって異なります。

    また、事故や違反を繰り返して累積3点以上の場合は、ブルー免許でも違反運転者になり、運転免許証の有効期間が3年となります。1~2点の軽微な違反の場合は、ブルー免許が5年継続されます。

    この制度があるために、ゴールド免許復活までの期間が人によってますます異なっているのです。

    軽微な違反1回のみだと10年かかる場合も

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    有効期限が平成27年12月1日のゴールド免許の人が、現在の免許更新前に軽微な違反1回をした場合、5年間ブルー免許となります。

    したがってその次の更新は5年後の平成32年12月1日となるため、ゴールド免許復活のためには平成22年~32年の10年間無事故・無違反を貫く必要があります。

    違反運転者になると2年早くゴールド免許に復活できる?

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    有効期限が平成27年12月1日のゴールド免許の人が、免許更新後2年以内に3点の違反をし、違反運転者になったとします。

    この違反は、基準日①から過去5年間の違反歴にカウントされ、平成27年の更新で3年間ブルー免許となります。

    次の更新は平成30年。つまり最後の違反から合計7年間、無事故・無違反を貫けば、基準日②から過去5年間に違反がカウントされないため、平成30年にはゴールド免許が復活するのです。

    このように現状のゴールド免許の制度では、違反運転者となった人の方が早くゴールド免許を復活させることができる場合があるという仕組みになっています。

    実際には3点以上の違反をする人は他の違反を繰り返すという前提のもとで運用されているようですが、少し矛盾を感じますね。

    更新直前の違反はセーフ?

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    免許更新予定年の誕生日の40日前~更新当日までの期間にした違反は、直近の更新時の免許の色には影響しません。

    上の表の場合、平成22年9月21日~平成22年12月1日の軽微な違反はゴールド免許の更新に影響しないことになります。

    しかし、その次の更新時の基準日②から過去5年間の違反にカウントされるため、将来的にはブルー免許になってしまいます。

    ゴールド免許復活を早める裏ワザがある?

    人によっては10年間ブルー免許になってしまう可能性があるのですが、この期間を短縮し、ゴールド免許復活を早める裏ワザについて、インターネットでは一部話題になっています。

    違う種類の新たな免許を取得する

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    最後の違反から5年間無事故・無違反を貫けば、次の免許更新予定日までに新しい免許を取得すると、新免許はゴールド免許で交付されます。

    上の表であれば、平成27年10月1日以降に普通自動二輪免許などの他の免許を取得すると、平成32年を待たなくてもゴールド免許が手に入るのです。

    注意したいのが「限定解除」は対象外ということ。免許の表面を書き換える必要があります。

    ただし、ゴールド免許になるために不要な免許を取得するというのは、費用を考えると現実的ではありません。あくまで他の免許が必要な人向けの裏ワザといえます。

    免許を早期更新する

    やむを得ない事情があり、免許の更新期間内に手続きができない場合は、免許の早期更新が認められています。

    このとき、最後の違反から5年経過している人が免許の早期更新を行うと、条件を満たしているということで、ゴールド免許が交付されるのです。

    紛失や住所変更などは対象外。仕組みは「違う種類の新たな免許取得」と同じで、早期更新のみが裏ワザとして使うことができます。

    ただし、免許の早期更新は海外渡航(旅行・出張など)、ケガ、病気等で入院中、妊娠中などの事情がある人にのみ認められているもの。「やむを得ない理由の事実を証するに足りる書類」の用意が必須となりますので、注意しましょう。

    結局は運!?乗る人ほど遠ざかるゴールド免許

    現状では、全く運転をしない人でも無事故・無違反ということでゴールド免許が交付されます。車をよく使う人ほど取締りに遭う確率が高く、よく乗る人ほどゴールド免許から遠ざかっているのでは?という声もあるようです。

    とはいえ、いつ何時でも安全運転を心がけ、違反をしないようにするのは運転者の義務でもあります。更新のたびにゴールド免許から遠ざかっているという人は、普段の自分の運転をもう一度振り返ってみましょう。