農家の負担軽減へ 都城市の酪農家が開発 舌で測る牛の自動体温計測器 24時間計測が可能

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農家の負担軽減につながる新しい技術についてです。
その技術というのが、宮崎県都城市の酪農家が開発した新たな牛の体温計です。
どんな技術なのか、そしてどんな思いが込められているのか取材しました。

子牛の口元にはケーブルのようなものが

都城市御池町で酪農を営むそうすけファーム。
牛舎には産まれたばかりの可愛らしい子牛が・・・
よく見ると、子牛の口元にはケーブルのようなものがつけられています。

(丸山敦子記者)
「この牛についているのは何ですか?」
(そうすけファーム 東 竜馬 代表)
「これが牛の口で体温を測る器械です」

子牛たちがつけているのは牛の自動体温計測機。開発したのは、代表の東 竜馬さんです。
(そうすけファーム 東 竜馬 代表)
「この部分が口の中に入って、この先端に温度計の感温部が配置されています」

体温は24時間計測が可能 牛の体調変化に気づきやすくなるメリット

牛の体温は、お尻から計測器を入れて測る方法が一般的ですが、この体温計ではセンサーが舌にあたることで自動的に牛の体温を測ることができます。

(そうすけファーム 東 竜馬 代表)
「1頭ごとに3分から5分程度でつかまえて、温度を測って、体温を記録してという作業がすごく時間と手間がかかるので、そこを自動化できればと」

体温は24時間計測することが可能で、専用のアプリを確認することで、牛の体調変化に気づきやすくなるというメリットもあります。
(そうすけファーム 東 竜馬 代表)
「オレンジの体温が低めなので、この牛を注意して観察してもらうと、病気の発見が早くなると思います。クラウドにデータを飛ばして、全国どこからでもデータがみられるのでこれをもとに指示を出したりすることができます」

牛の伝染病をきっかけに 2年間試行錯誤で開発 特許出願し販売へ

東さんが体温計の開発を決意したのは4年前。
牛サルモネラ症という伝染病が牛舎を襲ったことがきっかけでした。

(そうすけファーム 東 竜馬 代表)
「4年前にサルモネラ症という伝染病が入ってしまって、子牛とか100頭以上死んでしまったので、それが2年間続いて。菌が便の中に排出されるので、それを人間が感染を助長しているのではないかと思い、開発を始めました」

およそ2年間試行錯誤を重ねた結果、ようやく完成した新しい体温計。
東さんは現在、特許を出願するなどして販売に向けた準備を進めています。
(そうすけファーム 東 竜馬 代表)
「農家が使いやすくて、より安くて、使い続けられるものを作って、農家みんなが助かって、地域が盛り上がっていけばいいと思います」

牛の命を守るため、そして農家の負担軽減のため。これまでの常識を変えるかもしれない酪農家の挑戦が始まっています。

※MRTテレビ「Check!」6月22日(木)放送分から