大胆なスカートで自ら店頭営業…大塚家具元社長・久美子氏「2年半ぶり経営現場へ」美しき素顔写真

カジュアルな店への移行をめざした大塚家具の元社長・久美子氏。白百合女子高から一橋大学へ進んだ才女でもある。’15年撮影

「家具屋姫」が経営の現場に戻ってくる。

大塚家具のすべての役職を辞任してから約2年半――。同社・元社長の大塚久美子氏(55)が、6月26日付でIT機器メーカー・メルコホールディングスの社外取締役に就任することが内定したのだ。メルコの牧寛之社長との個人的な縁がキッカケで、社外取締役に抜擢される予定だという。

「久美子氏と大塚家具の創業者で父親である勝久氏とのお家騒動が発覚したのは、9年前の’14年ごろです。経営方針をめぐり父娘が激しく対立。久美子氏は父親を社長から解任し、自身で経営の舵をとりますが業績は急激に悪化します。

家電大手・ヤマダ電機(現・ヤマダホールディングス)の傘下に入り倒産は回避したものの、企業としての大塚家具は消滅しました。久美子氏は’20年10月に、大塚家具のすべての役職から退いています」(全国紙経済部記者)

『FRIDAYデジタル』は’19年12月12日配信の記事で、久美子氏が経営に失敗し大塚家具をヤマダ電機の傘下とするまでの詳しい背景を報じている。再録して、久美子氏の素顔や父娘のお家騒動を振り返りたい――。

机を連打し「意味がわからない!」

「何かいいアイディアはないの?」

東京・有明にある大塚家具の本社ビル6階。ガラス張りの社長室で、会社のトップである久美子氏(当時)は幹部を前にため息をつくことが多くなったという。

「社長の焦りを強く感じます。会議中に指で机をトントンと連打したり、イスにもたれ宙を見ながらボールペンをクルクルいじったりしているんです。深夜まで働き、夜中の1時過ぎでも仕事のメールが社員に送られてくることもある。

昼間も食堂に行く時間が惜しいのか、社長室でサンドイッチを食べながら指示を出しています。イラついて『意味がわからない!』と、部下を叱責することもたびたびでした」(同社社員)

久美子氏が焦るのもムリはない。父親・勝久氏の高級路線から、低価格にシフトしたが大失敗。経営不振で窮地に追い込まれているのだ。’19年1月~9月期の売上高は、約210億円で前年同期比23%減。営業損益の赤字は30億円近くにのぼる。これで5年連続の減収、6年連続の営業赤字という結果となった。

「メインバンクも態度を硬化し始めています。大塚家具オーナー家の資産管理会社『ききょう企画』は、直近で同行から約5億円の借金があるといわれている。メインバンクは、返済のメドが立たないと判断したのでしょう。担保となっていた『ききょう企画』保有の大塚家具86万株を、すべて市場に売却してしまったんです。

9月末時点で、大塚家具の預金残高は22億円にまで減少。毎月5億円もの現金が失われています。このままでは’20年3月には資金が枯渇する。もう打つ手がない状態でした」(経済誌記者)

そんな窮状にあえぐ大塚家具と手を組んだ企業がある。

「大塚家具を子会社化する方向で最終調整しているヤマダ電機です。すでに大塚家具の社員20名ほどが、ヤマダ電機の約10店舗に出向しています。ヤマダ電義は『くらしまるごと』をテーマにしているので、イチ家電量販店から成長するため大塚家具の販売網や修繕ノウハウを得たかったのでしょう」(同前)

手痛い経営失敗を喫した久美子氏。大手IT機器メーカーの社外取締役として汚名返上できるか、今後の手腕が注目される。

’15年4月に新宿ショールームで行われたセール。久美子氏は「希望」という花言葉を持つガーベラを客ひとり一人に渡した

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’15年4月、新宿のショールームでみずから客を迎える久美子氏。「インドアグリーン」をテーマに店内には観葉植物がふんだんに飾られていた久美子氏の出勤風景。ブルーやグリーンなど淡い色の洋服をオシャレに着こなしている久美子氏と対立していたといわれる父親の勝久氏。古くから続く会員制の販売にこだわった東京・有明にあった大塚家具の本社。1000人以上の社員が働いていた。現在はヤマダホールディングスに吸収され「大塚家具事業部」