【トラブル続出】マイナンバーカードを返納したらどうなる? 生活に支障はないのか、疑問点を解説

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マイナンバーカードを返納した場合、その後の生活に支障はないのか(時事通信フォト)

 政府の大号令で進むマイナンバーカード制度だが、人為的ミスやシステムエラーによる落とし穴が次々に発覚。堪忍袋の緒が切れた国民がついに動き出した。

〈マイナカードを返納してきました! 返納理由は不祥事多数、今後の運用の不審〉
〈マイナンバーカードは作らない! 使わない! 従わない! マイナンバーカード返納が国民の意志表示!〉

 最近、SNSに〈#マイナカード返納運動〉〈#マイナカードの廃止を求めます〉などのタグを付けた投稿が散見される。埼玉県在住の60代男性も、先日自治体にマイナカードを返納したという。

「デメリットばかりで“こんなもの要らない”と思っていたら、返納できるということを耳にしまして。調べてみると、マイナカードと本人確認書類、個人番号カード返納届を持って役所で手続きするだけ。マイナカードに不安を感じていたご近所さんにも早速共有しました」

 代理人が返納する場合は、代理人の本人確認書類や委任状が必要になる。マイナカードを返納してもその後の生活に支障はないのか。疑問点を整理した。

Q:付与されたマイナポイントは消えてしまう?

「ポイントはPayPayなどの電子マネーとして付与されるため、返納しても残ります。ただし、カードは取得したけどポイント申請をしていない人は返納したらポイントがもらえない。申請してポイントを付与されてから返納した方が良いでしょう」(自治体情報政策研究所代表の黒田充氏)

Q:一体化した健康保険証はどうなる?

 政府は2024年秋までに従来の健康保険証を廃止し、マイナ保険証に一本化することを目指している。

「マイナ保険証を作りたくない人やマイナカードを紛失した人のために、保険証の代わりになる『資格確認書』が発行される予定です。ただし、資格確認書は有効期限が最長1年で、期限が切れる前に窓口で更新手続きをする必要があります」(経済ジャーナリストの荻原博子氏)

 黒田氏が続ける。

「健康保険組合が判断し、発行希望の有無にかかわらず、資格確認書を組合員全員に送る措置なども考える必要があるでしょう」

Q:携帯電話やジムの会員などマイナカードで本人確認して契約した各種サービスはその後も利用できる?

「返納によって利用が停止されることはないでしょう。次の更新時に免許証やパスポートなど別の身分証を提示すればいい」(黒田氏)

Q:マイナカードで登録した公金受取口座はどうなる?

 デジタル庁に聞くと、「公金受取口座はカードではなくマイナンバーと紐付いているので、返納によって口座の登録が抹消されることはありません」(広報)と回答した。

 これ以上カードに振り回される生活は御免被りたいという人は、少なくないかもしれない。

※週刊ポスト2023年6月23日号

マイナンバーカード保険証利用のメリット(厚生労働省のホームページより)

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マイナンバーカードを健康保険証として利用できる医療機関では、「限度額適用認定証」がなくても、限度額を超える支払いが免除(厚生労働省のホームページより)

マイナンバーカードを健康保険証として利用できる医療機関では、「限度額適用認定証」がなくても、限度額を超える支払いが免除(厚生労働省のホームページより)

マイナポータルで閲覧可能な医療費通知情報について(厚生労働省のホームページより)

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マイナンバーカードに関するよくある質問(厚生労働省のホームページより)

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