将棋の棋士は「儲かる」のか?2022年獲得賞金ラングからひも解く

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2016年に、史上最年少で四段に昇段し、プロ棋士となった藤井聡太七冠は、デビュー後の活躍で、将棋界の8大タイトルのうち、七つを占めるまでの活躍をみせています。藤井聡太を目指せとばかりに、わが子に将棋をさせようと、考える親も現れたのではないでしょうか。
本記事では、将棋の棋士はもうかるのかという疑問について、2022年の獲得賞金ランクからひもとき、子どもを棋士にしようとお考えの方へ、参考になる情報をお届けします。

将棋のタイトル

プロ棋士の年収は、対局料と獲得賞金の占める割合が多く、そのほかの収入として、将棋連盟から支給される基本給、講演会料、指導料などがあります。
なかでも8大タイトル(竜王、名人、王位、王座、棋王、叡王、王将、棋聖)の獲得賞金は大きく、最も高額な賞金は、竜王戦の4400万円です。

2022年獲得賞金・対局料べスト5

ここからは、2022年獲得賞金・対局料ベスト5を紹介します。

1位:藤井聡太竜王・名人

藤井聡太竜王・名人は、2002年7月生まれで、棋士番号は307です。2012年9月に奨励会入りし、2016年にプロ棋士になりました。現在の段位は、2021年7月に獲得した、最高位である九段です。
2022年は、賞金1億2205万円を獲得しました。現在、8大タイトルのうち、七つのタイトルを保持しています。2022年度には、最優秀棋士賞・最多勝利賞・勝率一位賞・名局賞・名局賞 特別賞を獲得しています。

2位:渡辺明元名人

渡辺明元名人は、1984年4月生まれで、棋士番号は235です。1994年に奨励会入りし、2000年にプロ棋士になりました。現在の段位は、2005年11月に獲得した九段です。
2022年は、賞金7063万円を獲得しています。8大タイトルのうち、名人位を保持していましたが、今年の6月に、藤井聡太竜王に敗れて、名人位を奪われました。竜王と棋王は、通算で10期以上獲得しており、2022年度には優秀棋士賞を獲得しています。

3位:豊島将之九段

豊島将之九段は、1990年4月生まれで、棋士番号は264です。1999年に奨励会入りし、2007年にプロ棋士になりました。現在はタイトルを保持していませんが、過去には竜王や名人など、8大タイトルのうち五つを獲得しています。2022年の賞金獲得額は5071万円です。

4位:永瀬拓矢王座

永瀬拓矢王座は、1992年9月生まれで、棋士番号は276です。2004年に奨励会入りし、2009年にプロ棋士になりました。現在、タイトルは王座を4期保持しています。過去には叡王も獲得しています。2022年の賞金獲得額は4668万円です。

5位:斎藤慎太郎八段

斎藤慎太郎八段は、1993年4月生まれで、棋士番号は286です。2004年に奨励会入りし、2012年にプロ棋士になりました。過去に、8大タイトルのうち王座を獲得しています。2022年の賞金獲得額は2362万円です。

現実は厳しい棋士の世界

日本将棋連盟の棋士データベースによると、プロ棋士の数は173名です。そのうち、2022年の賞金獲得額が2000万円を超えているのは、6人だけという厳しい世界です。
奨励会に入会し、6級からスタートして四段になればプロ棋士になれます。奨励会の入会は厳しく、プロ棋士と師弟関係を結んだうえで、年に1回行われる奨励会試験に合格しなければなりません。
入会後は対局を重ね、規定をクリアして段位を上げていきます。年齢制限がありますので、若いうちから入会したほうが有利です。四段になるのは狭き門で、年に4人だけがたどり着けます。
このように、狭き門をくぐり抜けたとしても、賞金獲得額が2000万円を超えるのは、ほんの一握りです。決してもうかるとは、気軽にいえる職業ではありません。

まとめ

ここまで、2022年の獲得賞金ランクから、将棋の棋士がもうかるのかについて考察しました。プロ棋士になるのも狭き門で、その狭き門を突破しても、大きな金額を獲得するのは困難です。それでも、トップ棋士になれば、1億円を超える賞金獲得額に達しますので、夢があります。プロ棋士になってもうけたいと思うのであれば、一日でも早く、将棋に触れるといいでしょう。

出典

公益社団法人日本将棋連盟 2022年獲得賞金・対局料ベスト10

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー