上岡龍太郎さん 妥協なき性格が生んだ収録途中退場事件 周囲の説得にも耳を貸さず…

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 元タレントの上岡龍太郎さん(かみおか・りゅうたろう、本名・小林龍太郎=こばやし・りゅうたろう)が5月19日、肺がん、間質性肺炎のため大阪府内の病院で亡くなっていたことが2日、引退後の窓口となっていた米朝事務所から発表された。享年81。京都市出身。

 上岡さんといえば、「漫画トリオ」解散後も、軽妙な語り口と博識で、すぐに司会者、タレントとして人気者に。説得力に満ちた知的トークで周囲を感心させる一方で、曲がったことが嫌いな一本気な性格で、番組中に共演者と口論することや、思い切った行動を取ることもあった。
 代表的な事件が、人気番組「探偵! ナイトスクープ」の局長を務めていた1994年4月29日の「収録途中退場」だ。視聴者の依頼に探偵が現場へ出向き、解決するバラエティー番組。その時は「下宿に幽霊が出る」との依頼に、桂小枝探偵が指名されたものの、霊媒師の格好をしたりして、おふざけ半分の中途半端な内容に上岡さんが激怒。科学的に実証されていない霊を取り扱ったことが逆鱗に触れたようで、「ものすごい危険なテレビですよ、これは。絶対に許せません。幽霊がいることを実証してください(抜粋)」と言い残し、周囲の説得にも耳を貸さず、収録現場を後にした。
 番組降板もささやかれたものの、翌週にはしれっと「復帰」。激しても後に引かないあたりも、上岡さんの一面だった。