ビールのアルコール分が体内で分解されるまでに要する時間をご存知ですか?

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出典 : Sergey Peterman/ Shutterstock.com

ビールを飲んだ人の体内からアルコールが抜けるまでに要する時間(ビールのアルコール分の分解時間)には個人差がありますので、自分の分解時間を知って二日酔い防止に役立てましょう。

ビールが体内で分解されるまでには何時間かかる?

ビールが体内で分解されるまでには何時間かかる?

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ビールの分解時間を知る前に、まず、アルコールが体内で分解される仕組みをおさえておきましょう。
ビールなどのアルコール飲料を摂取した場合、血中のアルコール濃度が上昇します。この数値は酔いの程度を推定するための指標で、高ければ高いほど酔いが回っている証拠です。
血中アルコール濃度が一定のレベルに達すると、肝臓がアルコールを分解し始めますが、分解に要する時間には個人差があり、とくに性別による差が大きいとされています。350ミリリットル缶のビールを飲んだ場合の分解時間の目安で比較すると、成人男性は約2~3時間に対し、女性は3~4時間かかるといわれています。
同じ量のお酒を飲んでも、女性のほうがアルコールを分解するまでに時間がかかるのはなぜでしょう? その理由は、アルコールを分解する肝臓の大きさにあります。肝臓の大きさは体重と比例しますので、男性よりも体重の軽い女性は比較的肝臓が小さく、アルコールを分解する時間にも差が出るのです。逆にいえば、一般的には体格のいい人ほどアルコールを分解しやすいということになります。

ビールの分解時間を計算する方法

ビールの分解時間を計算する方法

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ビールの分解時間の目安は、簡単な計算式から算出できます。以下の計算式に体重と飲酒量と当てはめてください。
まず、1時間に分解できるアルコール量は「体重(キログラム)×0.1=A(グラム)」で計算できます。
次に、飲んだ純アルコール量は「飲んだビールの量(ミリリットル)×(アルコール度数÷100)×0.8(=アルコール比重)=B(グラム)」で計算できます。
BをAで割れば、飲んだ純アルコール量を分解するために要する時間が導かれます。
体重70キログラムの人が、350ミリリットルのビール(アルコール度数5%)を飲んだ場合で考えてみましょう。
1時間に分解できるアルコール量は70×0.1=7グラム。飲んだ純アルコール量は350×0.05×0.8=で14グラムとなります。
ここから、14÷7=2時間という分解時間が導かれるというわけです。

ビールの分解時間には個人差も

ビールの分解時間には個人差も

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ビールの分解時間を調べる計算方法を紹介しましたが、前述した計算式によって導き出された結果は、あくまで目安であって、個人差が大きいことを理解しておきましょう。
もともとお酒が弱い体質の人は、アルコールを分解する速度が遅く、目安よりも時間がかかる傾向があります。
また、アルコールの分解には肝臓の状態が関連しているため、その日の体調によっても変化します。いつもより酔いが回りやすい、二日酔いになりやすいと感じた場合は、肝臓が弱っている可能性を疑ったほうがよいかもしれません。
アルコールの分解時間は、体質や体調、飲酒時間など、さまざまな要因で変わることを忘れないようにしてください。あくまでも簡単な目安として参考にすることをおすすめします。
ビールの分解時間には個人差があります。体質や体調を把握したうえで、健康な飲酒ライフをたのしみましょう。