グーグルが「放置アカウント」を削除へ。データの“消滅”を避ける超簡単な方法

グーグルが2年以上にわたって使われていないアカウントなどを削除する方針を発表した。GmailやGoogle フォトなどのデータを今後も残しておくためにすべきことは、たったひとつだ。

グーグルが2年以上にわたって使われていないアカウントや、作成されてから一度も使用されていない(または一時的にしか使用されていない)アカウントを削除する新たな方針を5月16日(米国時間)に発表した。クモの巣だらけの昔のGmailアカウントや、何年も前の休暇の写真を保存している「Google フォト」のアカウントはないだろうか?

どうやら、こうしたアカウントのログイン情報を確認する時期が来ているようだ。過去2年以内に一度もログインしていない人は、早ければ今年12月にもアカウントとその中身すべてを削除される可能性がある。

この変更は、Google カレンダー、Google ドライブ、Googleドキュメント、Gmail、Google Meet、Google フォトに適用される。ただし例外は、YouTube動画を含むアカウントとサブスクリプションを契約中のアカウントだ(料金の支払いも「アクティビティ」とみなされる)。

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この変更は個人名義のGoogle アカウントにのみ適用され、プロフィールが法人や学校とひも付けられたアカウントは対象外となる(聞こえるだろうか? 無数の上司や校長が安堵のため息をついている声を)。

個人用のGoogle アカウントが消滅しないか心配な人向けに、アカウントがアクティブであるか確認する方法、さらにはパスワードを忘れた場合の簡単な対処法について紹介しよう。

アカウントを削除されないようにする方法

グーグルによるアカウント削除の阻止は、いたって簡単だ。パスワードさえ覚えているなら、ログインするだけでいい。それだけで終了だ。

グーグルのプロダクトマネジメント担当副社長のルース・クリチェリによるブログ投稿では、「2 年以内にGoogle アカウントまたはGoogleのサービスにログインした場合、アカウントはアクティブとみなされ、削除されません」と説明されている。なるほど、単純明快だ。

念には念を入れ、使用中のアカウントをわざわざログアウトして再ログインする必要はない。今回の変更は「アクティビティ」のないアカウントに対するものだからだ。

グーグルにとって、それは何を意味するのだろうか。基本的にはアカウントで何らかの操作をすれば、すべてアクティビティとみなされる。例えば「Google 検索」で検索をしたり、Gmailでメールを読んだり、Google ドライブでドキュメントにアクセスしたりといったことだ。

今回の変更の狙いは、“放置”されたアカウントを削除することでグーグルのサービス全体のセキュリティレベルを向上させることにあると、クリチェリは説明している。こうした放置アカウントは、強固な固有のパスワードや2要素認証が設定されている可能性が低いからだ。

パスワードを忘れたらどうなる?

パスワードを覚えていないって? まだ諦めるのは早い。パスワードは忘れてしまったかもしれないが、ユーザー名や電話番号は覚えているだろうか。たいていの場合のGoogle アカウントの復元手続きはこちらから、Gmailの場合はこちらから進めることができる。

グーグルによると、今回のアカウント削除を実施する前にアカウントに登録されたメインのメールアドレスと復元用のメールアドレスにメッセージを送信するという。仮にアカウントにアクセスできない誰かの代わりにアカウントを管理していたり、すでに亡くなった人のアカウントを思い出として残しておきたい場合には、グーグルはデータを出力できるサービス「Google Takeout」を使ってデータをダウンロードして安全に保管するか、「アカウント無効化管理ツール」を設定してアクセス可能な状態を維持できるようにすることを提案している。

削除の第1波によって、まずは登録されたまま未使用のアカウントが一掃される。非アクティブなアカウントを削除する第2波はいつ訪れるのだろうか? 正確な日付はいまのところわかっていないが、念のため12月に入る前にログインしておくことをおすすめしたい。

新しいポリシーの施行後も、古いGoogle アカウントで使用頻度の低いものを残しておきたいと思う人には、次のような方法もオススメだ。カレンダーにリマインダーを設定し、ときどきログインして何らかの操作をしておくといいだろう。さらに言えば、アカウントのデータを物理ドライブに保存しておくことも検討に値する。

WIRED US/Edit by Daisuke Takimoto)

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