日本は「100歳以上」の人口割合が世界で最も高い…その驚愕の数字と日本で最も長寿な都道府県の名前

増える「百寿者」

英語で「センテナリアン」、日本語では「百寿者」と呼ばれる100歳以上の人口が急増している。厚労省が’22年9月に公表した資料(住民基本台帳に基づくもの)によると、9万526人に達している。

この報告が始まった’63年の時点では百寿者はわずか153人に過ぎなかったが、’12年には5万人を突破し、現在は9万人超となった。’17年9月時点の百寿者は6万7771人だったから、ここ5年間は年平均約4550人のスピードで百寿者が増えてきたことになる。引き続き、このペースで百寿者が増えていけば’25年に10万人を超すことは確実だろう。

では、百寿者の内訳はどうなっているのか。’22年の百寿者のうち、男性は1万365人、女性は8万161人だった。男女の比率は概ね1対8で、圧倒的に女性のほうが多い。

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地域はどうか。一般的なイメージでは、沖縄県や長野県に百寿者が多いと思われがちだ。

だが、統計は意外な結果を示している。人口10万人当たりの百寿者の人数を比較したところ、1位は島根県(約142人)、2位は高知県(約137人)、3位は鳥取県(約133人)、4位は鹿児島県(約125人)となったのだ。

長寿のイメージが強い長野県は6位(約116人)。沖縄県は25位(約91人)に沈んだ。

世界一の長寿国は?

ちなみに島根県は10年連続1位に輝いている。理由を単純化することはできないが、シジミやサバといった魚介類をよく食べる習慣があることも、長寿に繋がっているのかもしれない。また各地域の公民館などで開催される高齢者サロンも盛んで、島根県はシニアが暮らしやすい県だといえるだろう。

一方、人口当たりの百寿者が少なかったのは45位千葉県(約51人)、46位愛知県(約45人)、47位埼玉県(約44人)となった。埼玉県は33年連続最下位となっている。といっても埼玉県民の寿命が短いわけではなく、若い世代の人口が多いために人口当たりでみると少なくなってしまうという事情もあるようだ。

次は世界に目を向けてみよう。データ処理の問題もあって、百寿者の正確な人数比較は簡単ではない。ただ、国際連合の人口部によれば、’21年の時点で世界の百寿者は約59万人に達していると推計されている。

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では人口当たりの百寿者が最も多いのはどこか? ’15年時点のデータではあるものの、アメリカのワシントンD.C.に拠点を置くピュー研究所が国連の推計値を紹介している。

人口10万人当たりの百寿者の数を見てみると、日本が1位(約48人)となっている。2位はイタリア(約41人)、3位はアメリカ(約22人)、4位は中国(約3人)、5位はインド(約2人)だった。なお、これは古いデータに基づく数字なので、現在の日本の人口当たりの百寿者数はもっと多い計算になる。

ちなみにアメリカの国勢調査局は、’21年におけるアメリカの百寿者が9万7914人と発表している。アメリカは日本の約2・6倍の人口を誇る大国だが、日本は百寿者が約9万人おり、実数においてもアメリカに迫っているのだ。100歳以上の人が珍しくなくなる時代が、すぐそこまで来ている。

「週刊現代」2023年5月27日号より