市川猿之助さん、命に別条なし そばに直筆の遺書か 両親は死亡

市川猿之助さん=すみだパークスタジオ稽古場で2017年9月22日午前10時57分、小玉祥子撮影

市川猿之助さん=すみだパークスタジオ稽古場で2017年9月22日午前10時57分、小玉祥子撮影

18日午前10時15分ごろ、歌舞伎俳優の市川猿之助さん(47)と両親が東京都目黒区の自宅で倒れているのを、マネジャー2人が見つけた。警視庁によると、母親(75)は自宅で死亡が確認され、父親で歌舞伎俳優の段四郎さん(76)も搬送先の病院で死亡が確認された。猿之助さんは命に別条はないという。捜査関係者によると、猿之助さんが書いたとみられる遺書のようなものが見つかった。警視庁は自殺を図った可能性があるとみて、猿之助さんの回復を待って事情を聴く。

捜査関係者によると、両親は2階リビングの床にあおむけで並んで倒れており、布団が掛けられていた。猿之助さんは半地下にある自室で倒れていた。3人はいずれもパジャマ姿で目立った外傷はなかった。猿之助さんのそばにあった画布に遺書めいた文面とともに、猿之助さんの本名が書かれていたという。

市川段四郎さん=東京・浅草寺で2012年5月11日午前10時半、猪飼健史撮影

市川段四郎さん=東京・浅草寺で2012年5月11日午前10時半、猪飼健史撮影

猿之助さんは両親と3人暮らし。舞台出演のため、午前10時過ぎに猿之助さんを迎えに来たマネジャー2人が3人を発見した。猿之助さんは搬送時は意識があり、都内の病院に入院した。検視の結果、両親の死因は「不詳」で、警視庁は今後司法解剖して詳しく調べる。

猿之助さんの自宅周辺は立ち入りが規制され、近隣住人らが心配そうに様子を見つめた。

18日午前10時半過ぎに近くを通りかかった70代の男性は「高齢の男性が酸素マスクをつけた状態で担架で運ばれ、その後に猿之助さんが運ばれていった。2人ともぐったりした様子だった。猿之助さん一家は約40年前に引っ越してきたが、最近は猿之助さんも両親も見かけなかった。こんなことになり残念だ」と話した。また、70代女性は「約40年ここで暮らしているが、家庭内のトラブルなどは聞いたことがない」と驚いた様子だった。【菅健吾、岩崎歩、黒川晋史】