【2023年】固定資産税のお得な支払い方は?ポイント貯まるスマホ決済も可能に!

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不動産は資産のひとつであり、活用の仕方によって定期的な収入を得たり、資金難の際には売却して現金化することもできるので、いざという時に頼りになります。

しかし、不動産は所有しているだけで固定資産税という税金の負担が発生することになります。毎年必ずかかる費用だけに、少しでもお得になる方法を知っておくことでコストを減らすことができます。

この記事では、固定資産税をお得に支払う方法を解説します。近年、利用できる支払い方法が多様化し、納税者がお得な支払い方法を選べるようになっているので、最新の情報をおさえていきましょう。

1.固定資産税とは?

固定資産税は、所有している不動産に対してかかる税金です。土地や建物などが対象となり、土地と建物両方を所有している場合はそれぞれ課税されることになります。

納める先は市区町村の自治体

日本の税金は非常に数が多く、税目によって課税主体が異なります。固定資産税は地方税の一種で、その不動産がある地域の市区町村の税収となるものです。

課税主体となる市区町村は、対象不動産の価値である「固定資産税評価額」を算出し、これに基づいて課税を行います。
基本的に固定資産税評価額に標準税率となる1.4%を掛けて税額を求めますが、自治体によって異なる税率を適用できるルールになっているので、全国一律ではありません。

固定資産税の納付期限は?

固定資産税の納付期限は課税主体となる市区町村によって異なりますが、大体のパターンが決まっています。

納税者には数万円から数十万円、あるいはそれ以上の負担が生じるため、一括納付とすると納税者の負担が大きくなることから、ほとんどの自治体では分割払いができるようになっています。
各期ごとに納期限が設定されているので、自治体から送られてくる納付書を確認し、いつまでに納める必要があるのか確かめておきましょう。

例として2023年度の東京都23区の納期限は以下のようなスケジュールになっています。

納期限

第一期分
6/30

第二期分
10/2

第三期分
12/27

第四期分
2/29

ほとんどの自治体では一括払いも可能で、余裕があれば分割払いにせずにまとめて支払うこともできます。
その場合は第一期分の納期限までに全期分をまとめて支払うことになります。

ただし一括納付したからといって税金が安くなることはありません。

支払うのは1月1日時点の所有者

税金を納めるべき責任を負う人を納税義務者といいます。
固定資産税の納税義務者は毎年1月1日時点でその不動産を所有している人です。 所有者であるか否かの判断は不動産登記上の名義で判断されます。

では年の途中で不動産を手放した場合はどうなるのでしょうか。この場合でも自治体に対する納税義務者は変わらず、あくまで1月1日時点の所有者が納税義務を負います。

ですから未納付分の固定資産税については買い手が納税手続きを行うのではなく、不動産の旧所有者が全額の納税手続きを取る必要があるので、この点は注意してください。
ただし、金銭面での実質的な負担については、売買契約の際に売り主と買い主で負担調整をすることがほとんどです。

2.固定資産税の支払い方法【2023年】

固定資産税

固定資産税の支払方法は複数用意されており、それぞれが納税しやすい方法を選択できるようになっています。また直近で納税方法の種類が大幅に追加され、消費者にとってより使い勝手が良くなりました。
この点も含めて以下で確認していきます。

支払い方法は「現金」もしくは「キャッシュレス納付」

固定資産税の納付方法は大きく現金納付とキャッシュレス納付の方式に分かれます。

▼現金による納付

①窓口納付
自治体から送られてくる納付書を取り扱い窓口に持ち込んで、その場で現金で支払う最もオーソドックスな方法です。
取扱窓口は市区町村の役所の他、自治体と提携する金融機関やコンビニなどでも支払いができます。誰でも行える納付方法ですが、現金を用意したり窓口に出向く手間が発生します。

②口座振替
金融機関の口座から自動で引き落とすこともできます。
光熱水費と同様に一度手続きをしておけば後は自動で引き落としてくれるので手間が省けます。ただし、引き落としする口座の残高が足りなくならないようにチェックが必要です。各種引き落とし用の専用口座を作っている人もいると思いますが、普段確認を怠りがちな口座は、意図せず残高不足になる危険が高いので注意が必要です。

▼キャッシュレス納付

①クレジットカード
固定資産税は多くの自治体でクレジットカードで支払うことができます。基本的に決済手数料がかかることに注意が必要ですが、買い物に利用するのと同じようにポイントが貯まるメリットもあります。

②ペイジー
納付書にペイジーマークがついていればネットバンキングやATMを使って支払いが可能です。また「eLTAX(エルタックス)」マークがついている場合は、下で説明する地方税お支払サイトからペイジーで支払いができます。

③「eLTAX(エルタックス)」
地方税共同機構が運営するもので、PCやスマホから地方税のキャッシュレス納付を可能にする仕組みです。
固定資産税の他、市民に身近な多くの地方税について納税をしやすくするために構築されたシステムで、スマホやパソコンなどから簡単に固定資産税の納付手続きを行うことができます。

地方税共同機構運営:「地方税お支払いサイト」

④各種スマホ決済アプリ
各自治体は住民の利便性向上をねらって、スマホ決済アプリ各種から固定資産税の納税手続きができるようにしています。
個別の自治体によって利用できるアプリが異なるため、詳しくはお住いの自治体に確認が必要ですが、上記③で利用できる決済アプリが拡大傾向にあり、今後の利便性の向上が期待できます。

自分が使っているアプリが対応しない?

上で見てきたように、支払い方法の多様化が図られている点は大いに評価できますが、まだまだ改善の余地があると見る向きもあります。
というのも、自分が使っている決済アプリが使えないためにキャッシュレス納付の恩恵を受けられない人も一定数いて、できるだけ多くの人が恩恵を受けられるように利用可能な決済アプリの拡充が期待されていたところです。

この点、令和5年4月から「地方税統一QRコード(eL-QR)」を用いた地方税の納付システムが実働しており、納税に利用できる決済アプリが多数用意され納税方法が格段に便利になりました。次の項で詳しく見ていきます。

3.2023年4月から22種類のスマホ決済アプリに対応!

令和5年4月から利用できるようになった地方税統一QRコード(eL-QR)は固定資産税だけでなく、自動車税など市民に身近な多くの地方税について、共通納税システムを介して一括して納税できる仕組みになっています。
手元にスマホがあれば手間なく固定資産税の納税が済ませられるので大変便利です。

使用できる決済アプリは順次拡大中ですが、2023年5月時点では以下のアプリの利用が可能になっています。

・au PAY
・F-REGI公金支払い
・さるぼぼコイン
・ファミペイ
・PayB
・モバイルレジ
・atone
・PayPay
・楽天銀行アプリ
・Wallet+
・京銀アプリ
・北陸銀行ポータルアプリ
・YOKA!Pay(熊本銀行・十八親和銀行・福岡銀行)
・とうぎんアプリ
・はまPay
・d払い
・楽天ペイ
・Bank Pay
・真庭市地域通貨まにこいん
・J-Coin Pay
引用:「地方税お支払サイト」スマートフォン決済アプリ一覧

上記のようにPayPayや楽天ペイ、また後払いアプリで人気の高いatoneなども利用可能で、多くの人が固定資産税の納付の手間を軽減できる期待が持てます。
全国共通の納税システムを介して納付が可能になったことから、お住まいの地域に関係なく全国どこにある不動産でも一括して固定資産税の納付が可能です。

eL-QRを用いた支払い方法と手順は以下の通りです。

1. 「地方税お支払いサイト」にアクセスし、「eL-QRでお支払い」をタップ
2. 「カメラを起動する」をタップし納付書のeL-QRを読み取る
3. 読み取り結果を確認する。
 ※複数の支払いをする場合は「連続読み取りモード」が使用可能
4. 納付内容と合計金額を確認し「お支払いへ進む」をタップ
5. クレジットカード、ネットバンク、口座振替などの支払い方法を選択する
6. 画面の指示に従って手続きを完了する

ちなみに上記2.のeL-QR読み取りは、スマホの他にパソコンのカメラを使って手続きをすることもできます。

固定資産税の支払いはキャッシュレスがお得な理由

固定資産税のキャッシュレス決済は、利用する決済アプリによって様々なメリットを享受できます。
例として楽天ペイで支払う場合のメリットを見てみましょう。 楽天ペイで固定資産税支払う場合、「楽天ポイント」や「楽天キャッシュ」が利用できます。
楽天ポイントは期間限定ポイントも使用できるので、余っていて期限が迫っているポイントをぜひ活用しましょう。
また楽天カードから楽天キャッシュにチャージすると0.5%のポイントが還元されますから、現金で支払うよりもお得です。

キャッシュレス決済によってこうした“うま味”も得られるので、ぜひ検討しましょう。

4.納付期限を過ぎると延滞金が追加されることも

固定資産税を期限までに納税できなかった場合はペナルティの対象になってしまうので注意が必要です。長期間滞納を続けると自治体によって不動産を差し押さえられ、強制的に換価処分されてしまいます。そこまでいかなくても、未納付の間は延滞金を課されてしまい、結果的には損をすることになります。。

延滞金は一般の借金でいうところの延滞利息のような性質で、未納付の期間が長引くほど負担が大きくなります。

延滞金は原則として以下のように定められています。

  • 納期限の翌日から1ヶ月経過する日まで:滞納分の年7.3%、
  • それ以降:滞納分の年14.6%
  • ただし現在は「特例基準割合」という特殊な基準を基に負担を緩和する政策がとられており、実際の延滞金は年によって変わるため、その年ごとに確認が必要です。
    この基準に照らすと、令和5年の延滞金は以下のようになっています。

  • 納期限の翌日から1ヶ月経過する日まで:滞納分の年2.4%、
  • それ以降:滞納分の年8.7%
  • キャッシュレス決済も拡充し納税しやすくなったわけですから、必ず期限までに納付手続きを済ませられるようにしましょう。

    5.固定資産税はお得な支払い方法を選ぼう

    不動産を所有する以上、固定資産税の支払いは必ず必要になります。どうせ支払うのであれば少しでもお得な方法を用いるのが賢い選択です。

    今の現役世代はほとんどの人がスマホを所有しているでしょうし、多くの人が何らかの決済アプリを利用していると思われます。上で見た22種類の決済アプリには有名どころも入っているので、自身が利用できるものがないか確認してください。

    各種決済アプリは利用に伴ってポイント還元などの恩恵を受けられますから、少しでもお得になるように積極的に利用しましょう。