「ペットの看護師」こと「愛玩動物看護師」誕生の背景 需要高まる動物医療の現場で活躍期待

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今月、新たに誕生した国家資格「愛玩動物看護師」について、「ペットの看護師」とも言われるこの資格、どのような背景で誕生したのか取材しました。

高度で多様な医療が求められるようになっている動物病院

宮崎市清武町にあるきりき動物病院。
多い時には1日に70人ほどが訪れ、この日も休む間もなく診療が行われました。

(きりき動物病院 桐木康太郎院長)
「患者さんが多く来られて、ちょっと人手が足りないなというときがある」

こうした中、動物医療の追い風となる新たな国家資格が今月から誕生しました。
それが、「愛玩動物看護師」。「ペットの看護師」とも呼ばれています。

この「愛玩動物看護師」は、今年2月に初めての試験が行われ、全国で1万8000人余りが合格。
この動物病院では、6人が国家資格を取得しました。

(国家資格を取得 江藤咲葵さん)
「看護師さんの業務範囲が広がるので、役に立つかなと思って今回取った」
(国家資格を取得 青木怜奈さん)
「より一層頑張ろうという気になった」

この国家資格を取得すれば、従来、獣医師しかできなかった犬やネコの採血やマイクロチップ装着などを獣医師の指示のもと行うことができます。

(きりき動物病院 桐木康太郎院長)
「『血液を採取しておいて』と言ってやってもらえると、すごく手間は減ります。僕らはありがたいです。国家資格取ってもらい、アイディアを出して気持ちよく、楽しくやりがいを持って働いてもらえたらと思います」

これまでよりも高度で多様な医療が求められるようになっている動物病院。
新たな国家資格の誕生で、獣医師の負担軽減が期待されています。
(国家資格を取得 堀井万綾さん)
「できることが増えたので獣医師の先生の少しでも支えになれるように」
(国家資格を取得 江藤咲葵さん)
「獣医さんの負担を減らすこともだが、飼い主さんにも寄り添える看護師になれたらいい」

チーム医療を構成することができることが大きなメリット

一方、こちらは、九州で唯一「愛玩動物看護師」の資格が取れる大学、九州保健福祉大学。
4年間のカリキュラムを経て、卒業と同時に国家試験を受けることができるようになります。

この日は、2年生を対象に、動物のしつけなどを学ぶ講義が行われていました。
(学生)
「動物看護師の資格が取れるところがあったので、愛玩動物看護師の資格を取得したいと思っている」
「獣医師さんとの連携も大切にしながら、飼い主、そして動物に優しい看護師になりたい」

コロナ禍でのペットブームやペットの長寿化などを背景に求められるものが多様化している動物医療。
明石学科長は、国家資格のメリットを次のように話します。
(九州保健福祉大学動物生命薬科学科 明石 敏 学科長)
「今、獣医師だけが診療にあたっていると思うが、やはりレベルの高い看護師『愛玩動物看護師』が、その補助を適正にするということで、チーム医療を構成することができることが大きなメリット」

いまや「家族の一員」となっているぺット。
需要が高まる動物医療の現場で、「愛玩動物看護師」の活躍が期待されます。

※MRTテレビ「Check!」4月20日(木)放送分から