「特別抗告の申し立て事由がない」 袴田さん再審、検察が断念を発表

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検察の特別抗告断念が明らかになった後の会見で、感極まって涙を流す小川秀世弁護士(右)と西嶋勝彦弁護団長=2023年3月20日午後4時40分ごろ、東京・霞が関、遠藤隆史撮影

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 57年前の1966年に静岡県のみそ製造会社の専務一家4人が殺害された事件で、東京高検は20日、強盗殺人罪などで死刑が確定した袴田巌さん(87)=釈放=の再審開始を認めた13日の東京高裁決定について、最高裁への特別抗告を断念すると発表した。

  • 袴田さん再審、検察が特別抗告断念へ 再審開始確定、無罪の公算大
  •  東京高検の山元裕史次席検事は「承服しがたい点があるものの、法の規定する特別抗告の申し立て事由が存するとの判断に至らず、特別抗告しないこととした」とコメントした。

     再審開始が確定することになり、袴田さんは今後、静岡地裁で開かれる再審公判で無罪となる公算が大きい。

     死刑囚が再審で無罪になるのは、80年代の免田、財田川(さいたがわ)、松山、島田の4事件以来、30年以上ぶり5例目。特別抗告は高裁の判断に憲法違反や判例違反がある場合に限られ、検察側は「特別抗告できる理由がない」と判断したとみられる。特別抗告の期限が20日だった。