冬の汚れ一掃したいのに! 車の「窓の水アカ汚れ」が落ちない!? うっかり「やってはいけない」事とは

雪解けの泥水や融雪剤などで、冬場は特にクルマの汚れが目立ちます。中でも窓の汚れがやがて水アカとなって、洗剤では落ちない場合も。そんな窓のしつこい汚れを落とすにはどうしたら良いのでしょうか。

注意! 水アカ落としで「やってはいけないこと」とは

 冬場は路面のわだちにたまった雪解け水や融雪剤によって、クルマの窓が汚れやすい時期ですが、こまめに洗車機で洗車していても、水アカ汚れが落ちないことがあります。
 今回はこうした窓の水アカ汚れを落とす方法や、その際にやってはいけないことなどについて紹介します。

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窓の水アカ汚れがひどいと前方の視界が著しく損なわれ、特に悪天候時は非常に危険な状態となることも[画像はイメージです]

 クルマの窓に雨水などの水滴が付着したままで放置されると、乾いた際に、水滴の周りにできる「輪ジミ」と呼ばれる水アカ汚れができてしまいます。

 雨ジミやウロコなどとも呼ばれ、特に固定窓のふちの黒く塗られた部分などに付着すると白く浮きたった汚れとして目立ちます。

 また頑固に固着している場合、これらの水アカは落ちないことがほとんどです。

 さらにクルマの窓には、走行中のみならず、駐車中にも汚れが付着します。

 砂ぼこりに加え、鳥のふん、排ガスなど空気中に漂う粉塵や油分の汚れ、ルーフに塗ったワックス成分、雨や洗車の後に残った水滴による雨染み汚れなど多種多様です。

 定期的に通常のシャンプー洗車と拭き上げを行っていれば、ある程度は水アカの付着が防げますが、放置している水アカ汚れが残り、日光による焼き付きや経年変化が加わると、その水アカは取りづらくなっていきます。

 そんな窓のしつこい水アカ汚れを落とす際、あれこれ試してみたくなるところです。

 しかし家庭用の洗剤や研磨スポンジ、コンパウンドなどで手入れを行うのはオススメしません。

 理由は、家庭用洗剤の場合、クルマでの使用のテストを行っていないため、クルマの樹脂やゴム、塗装面に対して攻撃性のある成分が含まれている場合があり、部品の白化や劣化を引き起こすことがあるからです。

 また一部の台所用・お風呂用の研磨スポンジなどは研磨力が高く、透明度の高いクルマの窓に傷がつく場合があります。

 加えて、家庭用のコンパウンドの中には艶出し成分が入っていることもあり、クルマで使うと油膜の原因となる場合もあり、むしろ逆効果となることも。

 そのためクルマの窓には、専用で開発されているメンテナンス用品を利用することをオススメします。

 なお、メンテナンスする窓が樹脂製であったり、ついでにきれいにしたくなるドアミラーやヘッドライトカバーなどが、ガラスではなく樹脂製という場合があります。

 いずれの場合も樹脂パーツはガラスよりも表面硬度が低いため、ガラス用のメンテナンス用品は使用禁止となっている点も注意しましょう。

メンテナンスは「専用のクリーナー」で! こまめな手入れも重要

 それではしつこい窓の水アカ汚れを除去するには、どうするのが良いのでしょうか。

 カー用品店やホームセンター、WEBショップではクルマの窓ガラス専用のクリーナーが販売されています。

積雪などの悪天候時にはフロントウィンドウの視界確保は非常に重要です[画像はイメージです]積雪などの悪天候時にはフロントウィンドウの視界確保は非常に重要です[画像はイメージです]

 比較的多くラインナップされているのが「油膜落とし」です。中でも研磨剤(コンパウンド)を含む液体タイプや、研磨効果のあるクロスタイプであれば、軽度の水アカは油膜の除去とともに落とすことができます。

 それでも落ちないような重度の水アカの場合は、ガラス用の「ウォータースポットクリーナー」「ウロコ落とし」「水アカ落とし」というような記載がある、研磨剤が入った専用のクリーナーを使って落とすことができます。

 このようなクリーナーは、オーソドックスな「研磨剤入りの液剤と研磨用スポンジ」がセットになった製品や、「研磨効果のあるスポンジ」のみの製品に加え、最近では「研磨剤の入ったパックにスポンジ」がセットになった製品など様々なタイプがあるので、好みで選ぶと良いでしょう。

 なおクリーナーを使う際は、降雨時や風が強い時は避けましょう。窓に砂ぼこりが付着したまま洗浄することで、窓ガラスに細かな傷が入る場合があります。

 またクリーナーを使用する際も事前にしっかり窓を水洗いし、砂ぼこりを完全に落とすようしましょう。

 自分でメンテナンスするのは面倒という場合は、ガラスコーティング店やコーティングなどを手掛けているガソリンスタンド、ピットのあるカー用品店などでも、窓の水アカ落とし作業を実施しているので、確認してみると良いでしょう。

 窓の水アカ汚れを避けるためには、水が付いた状態で放置しないことや、洗車後、雨が降った後にはこまめに窓の水滴を拭き取るということが理想です。

 しかし現実的には、常に洗車や清掃を繰り返すハイヤーのような営業車ではない限り、そのような頻度のガラスのメンテナンスは難しいと思います。

 水アカが付かないようにするためには、ガラス表面をきれいにした後、ガラスコーティング剤を塗布してガラスに直接汚れがつかないようにする方法があります。

 またその他にも、洗車する際にホースなどに水道水のミネラル分を除去する用品を装着し、純水に近い状態で洗車することで、洗車時のミネラル分の付着を防ぐ方法などがあります。

 なおガラスコーティング剤には、雨を水滴状にする撥水タイプと、水滴を作らない親水タイプがあります。

 比べてみると、親水タイプの方が雨が粒状で残らないため、輪ジミは起きにくいようです。

 そうは言っても撥水の方が大雨の時の視認性が高いことが多いため、フロントは撥水タイプ、それ以外は親水タイプにするという風に使い分けてみるのも良いかもしれません。

※ ※ ※

 窓の水アカ汚れは、放置すれば放置するほど固着がひどくなり、次第に落としにくくなっていきます。

 こまめなメンテナンスをすることで、結果的に後からかかる手間が少なくなるので、汚れが気になった際は迷わずこまめに洗車をすることをおススメします。

 特に冬のドライブはガラスが汚れることも多いので、ボディや下回りに加えて、窓周りもしっかり洗い、愛車をきれいに保ちましょう。