ファンが全国から殺到…? WBC「侍ジャパン」、17日から宮崎キャンプ 市外もホテル予約取りにくい状態に

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 「侍ジャパン」のレプリカユニフォームを着て歓迎ムードを盛り上げる物産館スタッフ=宮崎市のみやざき物産館KONNE

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表「侍ジャパン」の宮崎市キャンプ(17~27日)まで、10日を切った。米大リーガーのイチロー選手が参加した2009年は、隣県の鹿児島を含め全国から詰めかけたファンで会場のひなたサンマリンスタジアム宮崎一帯が大渋滞。この経験を踏まえ、市内は渋滞・安全対策の“臨戦態勢”に入った。新型コロナウイルスによる行動制限もなく、宿泊客の増加といった影響は都城市などまで波及している。
 都城市内の9ホテルで構成する市ホテル協会の徳留弘二会長(52)=都城グリーンホテル社長=は「宮崎市内から段階的に部屋が埋まっていく状況。全国旅行支援もあり、2月はどこも週末を中心に満室が多い」と話す。
 WBCのキャンプ開催が決まると、問い合わせが相次いだ。市内では巨人が49年ぶりにファームキャンプを実施することもあり、埋まるスピードも例年より早かったという。
 侍ジャパンのキャンプはこれまでで最長の11日間。日本野球機構(NPB)は混雑対策として、スタジアムでの見学は事前の入場整理券購入を条件とした。25、26日の壮行試合がそれぞれ約2万5000席、練習日は1万8000席を販売し、いずれもほぼ完売している。
 県は最大で計6カ所約4000台の駐車場を準備。利用は整理券購入者に限定した。バスやJRは期間中、中心市街地からスタジアムまで増便や増両で対応する。
 コロナで疲弊した市内の観光関係者の期待は大きい。宮崎空港や宮崎駅、中心市街地などに歓迎の旗やのぼりを掲げ、みやざき物産館KONNEや宮崎駅窓口などのスタッフは侍ジャパンのレプリカユニホームを着て盛り上げる。
 一方で壮行試合のある25、26日は国公立大学の前期入学試験と重なる。受験生が宿泊先を確保できるか懸念があり、県は宮崎大学や県ホテル旅館生活衛生同業組合と連携して、宿泊施設に対して受験生や保護者が優先的に確保できるよう働きかけた。願書が締め切られて以降、相談などはないという。
 県観光経済交流局は今回、事前整理券が必要なため09年ほどの混雑にはならないとみる。それでも券を持たないファンがひと目見たさに訪れることも考えられる。「安心・安全にキャンプを成功させるためにも無断駐車などは控えてほしい」(山下栄次局長)と呼びかけている。