春風亭一之輔「笑点」新メンバー抜擢の決め手は? 演芸評論家・吉川潮氏はこう見た

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 昨年9月に肺がんのため亡くなった6代目三遊亭円楽さん(享年72)の後任となる「笑点」(日本テレビ系)の大喜利新メンバーが5日の放送で発表となった。
 新メンバーに選出されたのは春風亭一之輔(45)。一之輔は司会の春風亭昇太(63)に呼び込まれると笑顔で登場。第一声、「はい」と小声で言うと、「第一声、小せえな」とメンバーに突っ込まれ早速笑いが起きる。「あたしです、あたし、お願いします」とサラリと挨拶し、その後、一之輔の紹介VTRが流された。
■今最もチケットが取れない落語家は年間900席
 年間900席以上の高座をこなす“今最もチケットが取れない落語家”。日本大学芸術学部を経て、2001年、春風亭一朝に入門。2012年に21人抜きで真打ち昇進。人間国宝の故柳家小三治をして「久々のホンモノ」と言わしめたエピソードなども紹介された。
 演芸評論家の吉川潮氏はこう話す。
「実力は十分。順当でしょう。一之輔は、すでに『笑点』に出る必要もないほどの地位を築いていて、オファーがあっても断るのではないかと思っていましたが、決まりましたね。知名度が上がるのはいいことですが、落語ファンとしては高座の数が減らないことを祈りたい。予想合戦では、女流の蝶花楼桃花の名前も挙がっていましたが、高齢のメンバーも多いので、またいずれメンバー交代はやってくる。次は彼女になるかもしれません」

 大喜利では、初回と思えぬ落ち着きぶりで、大の仲良しにしてライバルという、桂宮治(46)との掛け合いでも、大いにウケていた。
■実力と度胸
「一之輔就任の理由は、今日の大喜利の1問目の『一之輔が新メンバーになった理由』の答え風に言えば、“度胸のよさと物おじしない感じ”が決め手でしょう」(吉川氏)
 番組の最後、昇太に新メンバーの感想を聞かれると「今回限りにしようかな」と答え、きっちりと笑いを取っていた一之輔。ゆくゆくは司会の座も見えてきたか。