鮎川誠さん
ロックバンド「シーナ＆ロケッツ」のボーカルでギターの鮎川誠さんが29日午前5時47分、膵臓（すいぞう）がんのため74歳で亡くなった。所属事務所が30日、同バンドの公式ツイッターで発表した。
発表によると、昨年5月に膵臓がんが発覚し、医師からは余命5カ月ほどという宣告を受けていたという。しかし、鮎川さんの「みんなに心配をかけたくない」という強い希望から病気を公表せず、ライブの合間に治療を続けながら全国ツアーを続行。「自分が死ぬまでの間に1本でも多くシーナ＆ロケッツのライブをやりたい」と、一本一本のライブに全身全霊を注いだという。
昨年は45周年記念ライブを新宿ロフトで開催、全国47都道府県ツアー、沖縄・宮古島でのライブ、ロンドンナイトのクリスマスなどライブ本数は近年で最多。昨年末に激しい腹痛で一時入院したものの、直近1カ月間は医師の治療の下、ライブ復帰を目指して自宅で懸命に家族と回復に努めていたという。
亡くなる直前まで、次回作のアルバムの選曲を考えるなど、音楽制作に没頭。最期の瞬間までロックに身をささげた生涯だったそうで、「鮎川誠、そしてシーナ＆ロケッツを愛してくださった皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。心からありがとうございました」とファンへの感謝がつづられた。
通夜・葬儀は、長年暮らした東京・下北沢で、2015年2月に亡くなった妻・シーナさんと同じ「ロック葬」で行う予定。「どうぞ当日は遠い世界に旅立つ鮎川誠に会いに来て最後の別れの言葉をかけてあげてください」と呼びかけている。
