資産41億円の“自称ニート”が「住民税非課税世帯」に! 「給付金は無意味なので寄付する」 “社会のバグ”なぜ存在?

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 「昨年は住民税が9273万円、所得税が約3億円、トータル約4億円を納税した」

 こう話すのは、「資産35億円のニート」を自称するMasaさん。大学卒業後、サラリーマンとしてコツコツと貯蓄・節約生活を送り、貯めたお金で投資を始めると、スタートアップ企業への投資が大当たりして億万長者に。無職のまま悠々自適な生活を送りつつも、資産は増えているそうだ。

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 「2023年は税金で約4億円、生活費で約5000万円の支出があったが、世界的な株価の上昇や保有している投資信託の評価益が4.5億円上がったため、(資産)36億円、一昨年と変わらない着地だった。さらに、今年だけで評価額が5億円プラスになった」

 現在の資産は41億円! しかし、今年は超高額納税者にはならず、住民税・所得税共に“実質0円”だったという。どういうことなのか?

 なんと、Masaさんは「住民税非課税世帯」になったのだ。

 「無職なので、基本的に所得税はゼロだ。金融資産が41億円以上あり、未上場株式のスタートアップ企業にも数十社投資している。昨年の住民税9273万円の要因は(一昨年)スタートアップ企業が新規上場や大手企業にM&Aされ、数千万円の投資から約20億円の利益が出たためだ。しかし、昨年は投資したスタートアップ企業が売却や上場をせず、譲渡益がゼロだったため住民税も所得税もゼロなのだ」

 資産を売却しなかったため、課税の対象となる利益が出なかったというMasaさん。今回、住民税非課税世帯となり、41億円の資産を持ちながら、給付金や住んでいる地域によっては商品券などももらえるという。

 高額の資産を保有していても住民税非課税世帯として恩恵を受けることはあり得るのか? 税理士・公認会計士の土屋隆一郎氏に話を聞いた。

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 「資産をたくさん持っている方でも、年末調整や確定申告に含まれない所得しかない方は、住民税非課税世帯の判定で非課税世帯になるケースがある」

 住民税非課税世帯とは、年末調整や確定申告の結果、年間の所得額が単身世帯なら45万円以下など、一定の所得以下の場合に納付義務が免除される世帯のことだ。

 Masaさんの保有する資産の内訳は、投資信託や債券、預金などが主だが…

 「債券の利息や預金の利息について、実際に住民税は引かれているが、確定申告で所得にならないため、住民税非課税世帯の判定上は所得にならず、非課税世帯になる可能性がある」

 利子や利息などの収入は非課税世帯の算定に含まれないため、資産の売買などをしなければ住民税非課税世帯になることがあるという。

 土屋氏は「制度的な不整合、社会のバグの一つ」と語るが41億円もの資産を抱えつつも住民税非課税世帯となり、さまざまな給付金の対象となることについてMasaさんは…

 「資産家にとって数万円や数十万円の給付金を頂いても正直に言うとほぼ無意味であり、日々の生活に苦しい世帯に給付を増やすべきだ。私には必要ないので、振り込まれたりもらえたら寄付に回す。給付金はあまり意味がない」

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 ダイヤモンド・ライフ副編集長の神庭亮介氏は「Masaさんは前年に4 億円も納税して、社会や地域に貢献している。よく『不労所得』と言われるが、リスクをとって投資をした結果として正当な果実を得ているだけで、そこを批判するのは筋違いだ」と指摘したうえで、「制度のバグ」について解説した。

 「住民税非課税世帯=『困ってる人』ではないことが最大の問題。コロナ禍では住民税非課税世帯を対象に給付金が出された。また先週も、岸田総理が低所得世帯や年金生活者への追加給付を表明した。しかし、その人が本当に困っているかどうかは『所得』だけでは判断がつかない」

 「現役世代はある種“仕送り”のような形で社会保険料を高齢世代に送っているが、実は仕送りを受け取っている高齢者宅の“金庫”の中にはお金がたくさん入っている、という状況もあり得る。物価高などで苦しんでいる人にお金を給付すること自体は間違っていないが、『困っている人』の定義として住民税非課税世帯という枠組みを便利使いするのはどうなのか。とりあえず住民税非課税世帯にバラまいておこう、では納得感が得られない」

 では、「本当に困っている人」をどうやって見つければいいのか?

 神庭氏は「給付金を出す際には、フロー(お金の流れ)だけでなくストック(蓄え)に目を向ける必要がある。今はマイナンバーと銀行口座の紐付けも進んでいる。誰が困ってるのか国がしっかりと把握して、その上で給付対象を決めればいい」と述べた。
(『ABEMAヒルズ』より)