【運転】スピード違反の「反則金」は“任意”って本当なの? 弁護士に聞いた

4月6日から「令和6年春の全国交通安全運動」が開始。交通違反の中でも件数が多い違反の一つ「スピード違反(速度違反)」ですが、反則金の支払いは「任意」ということです。“真偽”について弁護士に聞きました。

image
スピード違反の反則金は「義務」じゃないの?

 4月6日から「令和6年春の全国交通安全運動」がスタート。車の運転時における「スピード違反(速度違反)」は交通違反の中でも件数が多い違反の一つです。常日頃の運転では慎重に運転をしているけど、うっかりスピードを上げてしまい、取り締まりを受けた経験がある人もいるかもしれません。超過速度が、一般道路なら29キロ、高速道路なら39キロまでであれば、違反点数の加算と、期日までに反則金を支払えば、刑事罰が免除されます。しかし、違反に対する罰であるはずの反則金の支払いは実は「任意」で「義務」ではないということです。そこで、“真偽”について芝綜合法律事務所の弁護士・牧野和夫さんに聞きました。

反則金は“任意” 理由は「刑事裁判で争う機会を奪わないため」

Q.“スピード違反”の反則金の支払いが「義務」ではなく「任意」なのは本当なのでしょうか?

牧野さん「反則金は交通反則告知書・仮納付書(青切符)に記載された期限内(青切符を受け取った日から8日以内)に納付するのが原則となっています。しかし、反則金の納付は『義務』ではなく『任意』となっています。

ただし、スピード違反の場合には、全てに反則金制度(交通違反通告制度)が適用されるわけではなく、高速道路で40キロ以上、一般道路で30キロ以上のスピード違反は、適用されません。この場合には『赤切符』を切られて、警察・検察庁での取り調べを経て、最終的に裁判所で罰金や懲役などの刑罰が科される可能性があります」

Q.なぜ、「義務」ではなく「任意」なのでしょうか。

牧野さん「スピード違反は、道路交通法118条1号で、6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金に処するとされています。

そのため、本来は刑事事件で裁かれるべきものです。反則金制度は、一方では、刑事事件としないで反則金納付で簡易に行政事件として終了させる権利を違反者に付与していると考えることができます。

また他方では、反則金の支払いが命じられた違反事実に異議がある場合に反則金の支払いを拒否して刑事裁判で争う機会を奪わないために『強制』でなく『任意』にされていると言えます」

Q.「任意」の場合、「反則金を支払わなくても大丈夫だろう」と考える人もいるかもしれません。また、期日を過ぎても支払いに応じなかった場合、運転者は逮捕されるのでしょうか。

牧野さん「反則金納付の通告を受けてもなお、反則金を納付しなければ、違反を認めている、認めていないに関わらず、道路交通法違反事件として、行政手続から刑事手続に移行することになります。成人の場合、まずは検察庁(少年の場合は家庭裁判所)に送致することとなり、起訴された場合には刑事裁判を受けることになります」

Q.ちなみに反則金を支払っていない場合、運転免許の更新はできないのでしょうか。

牧野さん「運転免許の更新の可否は行政上の処分となりますので、反則金の支払いとは無関係で、更新申請時の時点の違反点数により判断されます」

 スピード違反は道路交通法にも定められている通り、罰金刑です。また、運転中に思わぬ事故につながりかねません。安全運転を心掛けるようにしましょう。

(オトナンサー編集部)