パーティー券「20万円以下は匿名」ルールを悪用か 安倍派、半ば公然の「裏金づくり」

 自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件は7日、現職の衆院議員の逮捕に発展した。安倍派の元文部科学副大臣・池田佳隆容疑者(57)側は、20万円以下のパーティー券購入者は政治資金収支報告書に名前を記さずにすむ「匿名性」を悪用し、毎年多額の裏金を捻出していたとみられる。裏金づくりは安倍派内で半ば公然化している。規範意識もまひしていた可能性が高い。(戎野文菜、浜崎陽介)

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自民党本部(資料写真)

 特捜部の調べによると、池田容疑者は2018年~22年にかけ、所属する安倍派(清和政策研究会)のパーティー券を大量に販売。安倍派からノルマ超過分として年間608万円~1378万円を裏金として得ていたとされる。総額は公訴時効にかからない5年間で4826万円に上る。

◆政治献金なら年間5万円超で名前記載必要なのに

 政治献金は年間5万円を超す場合に寄付者の名前を記載する必要があるが、パーティー券購入者の名前はパーティーごとに20万円を超す場合となっている。このため20万円以下の購入者は安倍派の政治資金収支報告書に名前は記載されず、代金が仮に裏金になっていたとしても、総額に含まれているように見えるため、気づくことができない。

 近畿地区選出の参院議員に頼まれ、安倍派のパーティー券を毎年5枚(10万円)買っていたというコンサルタント会社社長は「私が買っていたのも裏金になっていたのかと、つい疑ってしまう。議員からは何の説明もない」と話す。

◆安倍派2022年収支報告書、大半が「匿名」

 安倍派の22年の収支報告書によると、パーティー収入9480万円のうち、名前が記載された購入者は41の企業・団体で、購入額は2218万円と、全体の23%にとどまる。池田容疑者は20万円以下の「匿名性」を悪用して小口のパーティー券を大量に売り、多額のキックバックを得ていたとみられる。

 安倍派では、パーティー収入の一部を報告書に記載せずに裏金化し、数十人の議員にノルマ超過分を戻したり、代金の一部を派閥に収めずに「中抜き」した議員もいたとされる。

 元自民党議員秘書は「『みんなで渡れば怖くない』と緩んでいたのだろう」と指摘。自民党の別の元秘書も「パー券は20万円以下なら報告書に計上しなくても分からないので、バラバラに売って通帳には入れずに現金でもらい、裏金にすることもある」と話した。

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