「魅力ある山じゃない」何のために?都城で‶桁違い”規模の面積の山林買収 外資系企業の目的は

「魅力ある山じゃない」何のために?都城で‶桁違い”規模の面積の山林買収 外資系企業の目的は | MRTニュース | MRT宮崎放送

外国資本の企業による土地の買収問題についてです。
全国的に外国資本による土地の取得が相次いでいますが、宮崎県内でも去年、外資系企業が都城市の山林を買収したことが明らかになりました。

どんな企業が、何のために取得したのか。調査班が取材しました。

買収面積はおよそ700ヘクタール

県土のおよそ7割が山林に覆われている宮崎で発覚した海外資本による山林買収。
その場所は鹿児島県との県境に位置する都城市安久町。買収面積はおよそ700ヘクタール
林野庁が公開している全国の買収事例と比べても、その規模は桁違いだ。

一体、どのような山林なのか、取材班は現場に向かった。

「無造作に木が生えていて、とても整備されている山林とは思えない」

(カメラマン)
「入ってない?」
(記者)
「入った!このあたりですかね…入ってますね。今ちょうど買収されたとも思われる山林が広がっている所に来ました」

山林は、都城市から串間市に抜ける県道沿いに広がっていた。
ところどころスギの木も確認できたが、伐採された形跡はなく放置されている印象だ。

(丸山敦子記者)
「こちら両隣の森林が外国資本が買収したとされるもので、左手には水が流れていて、ずっと川沿いに道路がつながっています。両脇に広がる山林を見てみますと、無造作に木が生えていて、とても整備されている山林とは思えません」

携帯電話の電波も届かず、住宅地からもかなり離れているこの場所。
一見、何の変哲もない山林だが、企業が興味を持つような理由があるのだろうか・・・
(地元住民)
「その土地自体がほしいとか、魅力があるような山じゃないと思うけど」
「(外国の関係者が)ここを通ると思うと。なんか(工事を)始めたらなんか怖い」

いったい、どんな企業が、何のために買収したのか、取材班が追った。

購入企業は福岡県に本社 電話取材を試みるもつながらず…

都城市の山林で発覚した外資系企業による山林買収。
関係者によると、山林を購入した企業は福岡県に本社を置き、太陽光発電などを手がけているとみられ、代表は中国人と思われる人物だという。


山林を購入した企業のホームページ

取材班は、買収の目的を聞くため、複数回、電話取材を試みたがつながらなかった。
続いて、この土地の登記簿を確認すると2015年から去年までの間に、大分県や福岡県の会社などに次々と名義が変更されていた。

そして、取材を進めると、この山林は、県が定める水源地域保全条例の対象地域となっていたことが分かった。

水源地域保全条例とは

(宮崎県森林経営課 谷本隆敏さん)
「貴重な森林資源、皆さんの生活を支える水源地域という役割を森林は持っているので、宮崎の場合は、水源地域保全条例を作っており、『事前に届け出』を出していただくのが必要になる」

この山林を取得する際には、条例によりその「目的」を届け出る必要があるが、この企業は届け出をしていなかった

県は、企業側にコンタクトを取り、必要な書類を提出してもらったが、目的については、「森林の取得・管理」としか記されていなかった。

今のところ、開発申請などの具体的な動きは見られないという。

(宮崎県森林経営課 谷本隆敏さん)
「現地確認も行っているので、現時点では伐採や開発行為などは確認されていない。届け出なしや許可申請なしで行為が行われないように注視をしている」

去年の宮崎県議会でこの問題を取り上げた都城市の山下博三議員は、森林資源を守る必要を訴える。

(山下博三県議)
「先人たちの作ってくれた財産を、今、利益を享受できているわけだから、そういう中で、県土の土地は県が守る、国土だから、その責任はあると思っているので、その辺の明確化をやっていきたい」

「重要土地等調査法」が成立したが・・・

海外資本による土地の買収が全国で相次いでいることを受け、国は去年、「重要土地等調査法」を成立させた。
しかし、この法律は、調査や規制を講じるもので、売買自体を規制するものではなく、対象となる土地も防衛関係施設の周辺や離島などに限られている
今回の都城市の山林のような場所は対象外だ。

海外資本による土地の買収について独自に調査を続け、「サイレント国土買収」などの著書を執筆している姫路大学の平野秀樹特任教授。
海外資本の土地の買収には様々な目的が隠れていると警鐘を鳴らす。

(姫路大学 平野秀樹特任教授)
「通常の経済行為とされる買収がほぼ大半なんですけど、そうでない、どう考えても経済的にもペイしない場所が高値で売買されている事例がみられる。例えば、重要施設、原発とか防衛施設の周辺だとか、最近だと変電所とか物流施設とか、すべてが経済活動の売買ではないということは考えないといけないと思う」

県内でも明らかになった海外資本による山林買収。今後の動向を注視していく必要がありそうだ。

国がもう一歩、踏み込んだ法律の整備を

(スタジオ)
リゾート開発やエネルギー開発など目的が明確でない、今回のような外国資本による不透明な土地の売買については、自治体レベルでは把握することも難しいのが現状です。

前述した「重要土地等調査法」は、あくまで、調査を実施したりするもので、売買そのものは規制されていません。

水源地の保全や安全保障など様々な懸念がある中、国がもう一歩、踏み込んだ法律の整備をすることも求められるかもしれません。

※MRTテレビ「Check!」7月27日(木)放送 「Check!調査班」から