潜水艇タイタン「ミリ秒で微塵に」米専門家

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18日に消息を絶った潜水艇「タイタン」の破片が発見されたことで、乗船していた5人のクルーの生存は、絶望的とみなされた。専門家に、カーボンファイバーなどで造られた船体は、水圧によって「ミリ秒」で破損した可能性がある。

船の捜索を率いた米沿岸警備隊のジョン・モーガー少将は22日の会見で、破片は「壊滅的な爆縮」によるものと発表。遺体の回収の見通しについて、捜索を継続するとしたものの、「海底という信じられないほど過酷な環境」だとして、直接的な回答を避けた。

潜水艇の専門家オフェル・ケッター氏はニューヨークポスト紙の取材に、船体の一部は、水圧で内側に激しく崩壊する爆縮によって、「微塵に砕け散っただろう」と語っている。

船体がカーボンファイバーの複合材で建造されたタイタンについて、就航前から安全性を指摘する声が上がっていた。

同氏は、乗客が入っていた圧力室が水圧に耐えられなかったのは、「当然のこと」だと指摘。チタンやその他の鋼鉄は残るため、それらが海底で発見された可能性を示唆した。

爆縮は「ミリ秒」単位で起こり、「彼らは、それが起きたことさえ分からなかっただろう」と語っている。「極めてネガティブな状況」だが、「実際は非常にポジティブ」と表現した。

111年前に事故で沈没した「タイタニック号」の見学ツアーには、英国の億万長者ハミッシュ・ハーディングさん、パキスタンの実業家シャザダ・ダウッドさんと19歳の息子スレマンさんの3人が参加した。このほかに、乗組員としてフランス人の深海探検家ポールアンリ・ナルジョレ氏、運営元のオーシャンゲートのストックトン・ラッシュCEOが乗っていた。同社は、1人あたり25万ドル(3,500万円)でツアーを販売していた。

ラッシュ氏は昨年、YouTubeのチャンネルで、「私は革新者として名を残したい。マッカーサー将軍は、ルールを破ったことで記憶に残ると言っていたと思う」と信条を語っていた。「これを造るのに一部のルールを破った。私のロジックと優れたエンジニアリングを背景にルールを破った。カーボンファイバーとチタン。それをやらないルールがあるが、私はやった」と述べていた。